岩手県立美術館(盛岡市本宮)で4月24日から、企画展「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢』」が開催される。
深堀隆介さんは透明樹脂にアクリル絵の具で金魚を描く斬新な手法で注目を集める現代美術家。アーティストとしての活動に悩んでいた時期に、放置していた水槽で生き続ける金魚の存在に気付き、その美しさに心を打たれたことをきっかけに金魚をモチーフとした制作を始め、さまざまな手法で表現を追求している。
独自の技法として編み出した「滅面積層絵画」は、器の中へ透明樹脂を流し込み、その表面に少しずつ部分的に金魚を描き、上から樹脂を重ねる作業を繰り返すことで立体的に仕上げる方法で、「2.5Dペインティング」とも称され国内外で高い評価を受ける。
同展ではこの技法を用いた作品のほか、インスタレーション、絵画、映像など約300点を展示し、深堀さんの幅広い仕事を紹介する。期間中は各種関連イベントも開催。初日は深堀さんを講師に迎えたアーティストトーク、5月4日は同じく深堀さんが講師を務めるワークショップが行われる。5月7日、21日、6月4日には同館学芸員によるギャラリートークを予定するほか、館内のレストラン「パティオ」では特別メニューも提供する。
関連イベントは、アーティストトークとギャラリートークはそれぞれ定員100人で当日先着順、ワークショップは同館ホームページの申し込みフォームもしくははがきでの参加応募が必要。応募者多数の場合は抽選となる。参加方法や開催時間の詳細はホームページに掲載する。
同館の担当者は「国内外で注目を集める超絶技巧を、新作を含めて鑑賞できるまたとない機会。本物と見紛(まご)う金魚の世界を楽しんで」と呼び掛ける。
開館時間は9時30分~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(5月3日は開館)。観覧料は一般前売り=800円(当日1,000円)、高校生・学生前売り=500円(当日600円)、小学生・中学生前売り=300円(当日400円)。前売り券は4月23日まで同館と岩手県民会館のほか、カワトク・アネックスカワトク・フェザン・東山堂書店・さわや書店本店・Cyg art galleryなど指定プレイガイドで販売する。6月13日まで。