もりおか歴史文化館前広場などで3月11日、東日本大震災10周年行事「祈りの灯火(ともしび)2021~未来に向かってまた一歩~」が開催された。
「祈りの灯火」は、2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災によって犠牲になった多くの人への鎮魂と、被害に遭った方々の心の平安を祈り、復興への誓いを新たにするための行事として、2012(平成24)年にスタート。毎年3月11日に開催を続けてきた。
昨年から引き続き、今年も新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、ステージイベントや屋台、屋内でのイベントを中止し規模を縮小し、灯籠の点灯のみを実施。県内外からたくさんの灯籠が届いた。
2019(平成31)年と2020年は冷たい雨や風に見舞われたが、今年は空が晴れ風もなく穏やかな気候の中での開催となった。会場では13時から灯籠の設置を開始し、地震発生時刻14時46分に黙とう、17時ごろから灯籠の点灯が始まった。会場内には約1万1000個の灯籠と、ガラス瓶ろうそく約2000個、計約1万3000個に火がともった。
震災から10年。会場には多くの人が訪れ、灯籠の明かりに哀悼の意や平和への祈りを込めた。中津川の河川敷には今年のサブタイトル「未来に向かってまた一歩」の文字がろうそくの光で書かれ、中の橋の上などで足を止め、じっと光を見つめる人の姿も見られた。
今年初めて会場を訪れた女性は「これまでは被災者ではない自分が会場に行ってもいいのかなという気持ちもあって、今回、子どもに震災のことを話すきっかけになればと思って会場を訪れた。子どもは震災のことを知らない。どんな風に話したらいいのか迷うけど、伝えていかなければと改めて感じた」と話す。