ノンアルコールカクテルなどを提供するドリンクスタンド「旅するモクテル」が3月1日、パルクアベニューカワトク地下1階(盛岡市菜園)にオープンした。
同店を運営するのは、イベント企画やグラフィックデザイン制作などを行う「ヨハクデザイン」。同社代表の武田明子さんは岩手を拠点に全国を旅しながら各地で仕事を行ってきたため、車での移動が多く、普段からノンアルコールドリンクを愛飲している。ノンアルコールドリンクの奥深さや楽しみ方を知るうちに数年前から「ノンアルコールカクテルの店を開きたい」という思いも持っていたという。
武田さんは「最近はノンアルコールカクテルを扱う店や種類も増えて来てはいるが、もっと気軽に飲めて、レパートリーも豊富にあればいいのではないかという考えはずっと持ち続けていた。専門店があればたくさんの人に楽しんでもらえる」と話す。
店名にも使われている「モクテル」は、英語で真似るという意味がある「Mock(モック)」と「カクテル」を組み合わせた造語でノンアルコールカクテルのこと。同店では「モクテル」のほか、武田さんが旅先で出会った「おいしいドリンク」や加工品など提供する。
昨年からは新型コロナウイルス感染症の影響を受け、岩手にとどまり続けている武田さん。その中で「これまでの旅」と「これからの旅の形」について考えを深めてきた。旅先で出会ったものを紹介するのは、「旅に行けなくても、旅先から持ってきたものを楽しんでもらおう」というアイデアだという。カウンターにはパソコンやスマートフォンの充電に利用できる電源も用意。場所を選ばず仕事を続けてきた武田さんならではの発想で、仕事場やリフレッシュの場としての活用も狙う。
現在のお薦めドリンクは愛媛県宇和島市のみかんジュースや、福井県南越前町の梅シロップを使ったドリンク。このほかにも、フレッシュな果実やピューレを使ったレシピで作る「モクテル」をそろえ、「ヴァージンモヒート」「ストロベリーアマレット」(660円)など現在は8種類がある。
提供するジュースや加工品、ドリンクに使用する果実は、武田さん自身が生産者と直接会って話しながら集めた品々。生産者だけが知る情報なども提供するほか、ジュース・シロップ類はボトルの販売も行う。「みかんジュース」など果実を使ったものは時期によって品種が変わり、違う味わいが楽しめる。今後はモクテルの種類も増やしていく予定。
武田さんは「どこかへ旅しなくても、こちらに持ってきて一緒に楽しむという方法がある。旅に行けない代わりに、たくさんのものを岩手に持ってきて届けたい。いつもの暮らしの中に、非日常的な旅の気分を見つけてもらいたい。お散歩がてら立ち寄ってもらえれば」と呼び掛ける。
営業時間は10時~19時。休業日はパルクアベニューカワトクの休業日に準ずる。