「菊の司酒造」(盛岡市紺屋町)が1月21日、盛岡市内の飲食店によるテークアウトメニューを販売する「KURAMAE DELi(クラマエデリ)」をスタートした。
「KURAMAE DELi」は、同社の酒蔵の一角を利用した直営店舗「KURAMAE」で、提携飲食店による総菜や弁当などのテークアウトメニューを取り扱うというもの。「KURAMAE」では、同社製品の販売のほか角打ち営業も行っている。角打ちの利用客へは市内飲食店への「はしご酒」を勧めるため、提携飲食店をまとめた「はしご本」を使った提案も行ってきた。「KURAMAE DELi」へは、「はしご本」で紹介している飲食店の中でもテークアウトが可能な店舗が参加している。
「KURAMAE DELi」が生まれたきっかけは、新型コロナウイルス感染症の影響がある。コロナ禍が長引く中、外食や宴会の自粛も続き、飲食店業界が大きなダメージを受け、同社も例年にない苦境に立たされたという。「この状況で元気をくれたのが、飲食店の皆さんの前向きな姿だった」と担当者。テークアウトメニューの開発やSNSなどでの情報発信に取り組む飲食店の姿を見て、「何か力になれることはないか」と思い企画したという。
テークアウトメニューの販売は毎週木曜と土曜に実施。現在は7店舗が参加し、提供店舗とメニューは日替わりで、何があるかはその日のお楽しみ。参加店と販売するメニューの情報はチラシにまとめて紹介している。初日の21日は、「居酒屋 里伊」による里伊のだしまきサンド、「八萬屋 いろは」の炭火焼き鳥丼、「えんwithSALASALA」のタンドリーチキン弁当が並び、昼食として買い求める人が多く見られた。
担当者は「居酒屋といえば夜のイメージがあるが、その店の味をいつでも楽しめるのが『KURAMAE DELi』の魅力。ランチにぴったりな弁当はもちろん、総菜セットやオードブルなど、お酒と一緒に味わってもらいたいメニューがそろっている。なかなか外食ができない状況が続いているので、大好きな店の味や、行ってみたかった店の味をオフィスや家など自由な形で楽しんでもらいたい」と呼び掛ける。
営業時間は11時~19時。