「菊の司酒造」(盛岡市紺屋町)は12月21日、2つの日本酒を飲み比べて楽しむ「DOTCH1(どっち)2021」を数量限定で発売した。
コロナ禍の中、今年は例年とは違った年末年始を過ごすことになるという点から着想を得て、「家の中で過ごす時間で、一緒にいる人同士で会話のきっかけになるように」「自分の思いを共有できる機会になるように」という思いを込めて企画した。数種類の日本酒をセットにした商品はあるものの、「飲み比べ」をメインに押し出したものは今回が初となる。
「DOTCH 2021」は「最高の冷酒」と「最高の燗(かん)酒」をテーマに、蔵人たちが十数種類の日本酒をテイスティングしてブレンド。日本酒は温度帯で味が変わってくることから、温度での飲み比べも楽しんでもらおうというアイデアを商品化した。どちらも香りと味のバランスが良く、「理想の日本酒」に近いものとなったという。
「最高の冷酒」は赤いラベルの「RED BLEND Ver.」で、「菊の司 純米大吟醸」「七福神 純米酒」など4つの日本酒をブレンド。メロンやバナナ、ピーチ、パイナップルなどを想像させるフルーティーで華やかな香りと、甘味、程よい酸味と苦みが全体を引き締め、心地よい余韻にうっとりする味わいに仕上げた。
「最高の燗酒」は黄色のラベルの「YELLOW BLEND Ver.」。「菊の司 純米酒 吟ぎんが仕込」「1996年産本醸造大古酒」など5つの日本酒をブレンドし、炊きたてのご飯や栗の花などのような酒らしい香り、引き締まったうま味と酸があり、飲むほどに深みが感じられる仕上がりになっているという。
「会うことができない人とも感想を交換してほしい」という思いから、今回は「最高の中の最高」を決めるオンライン投票も実施。ラベルに印刷されたQRコードを読み取ると専用投票フォームにアクセスできる。投票の途中結果についても随時発表していく予定。同社職員らの中でも話題となり、「やはり冷酒の方が好きな人は多い」「燗酒のおいしさに気付いてもらえるかも」と意見が割れているという。
セットの中にはお勧めの飲み方やおつまみを紹介する説明書も同封。「冷酒の方は冷蔵庫でしっかり冷やして、燗酒の方はまず常温で楽しんだ後、55度くらいの熱燗に仕立てて、室温に戻しながら味わってみて」と担当者。「感想を共有しながら飲んでもらえるのがポイント。好みについて語るのも、『こっちの方が好き』という感想でもOK。全国の皆さんとつながるエンターテインメントのような感じで楽しんで」と呼び掛ける。
価格は2,021円(オリジナルおちょこ付き)。公式オンラインストアでの販売は12月27日まで。28日からは直営店「蔵前-KURAMAE-」で数量限定販売する。投票受け付けは28日18時~来年1月3日21時。