盛岡市内の高校生が発案した学用品リサイクル活動「#スクールエコもりおか」は、中古学用品の交換会「学用品リサイクルin飯岡」を11月28日・29日に開催する。会場は飯岡農業構造改善センター(盛岡市下飯岡)。
「#スクールエコもりおか」の発案者は、盛岡市内の高校に通う高山七虹(ななこ)さん。高山さんは普段の生活や会話の中で、自分が使わなくなってしまった学用品に「もったいない」という思いを持ち始めた。誰かに譲ることも考えたが、「快く受け取ってもらえるか」という不安や、譲る人が周りにいないことにも気付いたという。
自身が卒業した中学校の協力の下、生徒と保護者に向けたアンケートを実施。「使わなくなった学用品があるか」「学用品がリサイクルできるイベントなどがあれば利用したいか」といった項目について調査したところ、高山さんと同じように「もったいないが、リサイクルできない」「機会があれば誰かに譲りたいし、もらいたい」と考えている人が多いことが分かった。
そこで自分の活動や考えについて、通っている塾の講師へ相談。それをきっかけに大人の協力者が増え、現在は中古学用品の回収と交換会の開催に向けた準備を進めている。
高山さんは「実を言うと、最初の目標は学用品を譲る人と欲しい人をスムーズにマッチングするアプリを作ることだったが、いきなりアプリを開発するのは難しい。まずはイベント形式の交換会をやってみよう考えた」と話す。
初めての交換会は、飯岡小学校と飯岡中学校の学区が対象。開催前に、中古学用品の回収を11月5日に始めた。「スーパーセンタートライアル 盛岡西バイパス店」にリサイクルボックスを設置し、対象学区を中心に協力も呼び掛けた。
回収する学用品は、飯岡小学校・中学校のジャージーや制服、ザックなど指定学用品のほか、参考書、ドリル、部活用品など学校で使用するもの全般。ボックスを設置してから2週間ほどたつが、思うように集まらないのが課題だという。高山さんは「使わないものを譲りたい、中古品をもらいたいというニーズはあるが、自然と新品を購入してしまう環境が関係しているのではないか」と分析している。
交換会ではボックスで事前回収した中古学用品のほか、当日持ち込まれた中古学用品を会場内で展示。必要な人が必要としているものを自由に持ち帰る仕組みとした。現金での売買はなく、持ち帰ったものを販売する目的での来場は禁止している。受け付ける中古品についても、破損や汚れのひどい場合や、学校に関係のないものは出品できない。
今後は回収と交換会の継続を考えているが、活動する高校生は高山さん1人。「同世代で一緒に取り組んでくれる仲間も欲しい」と高山さん。「目には見えない誰かのために意識できる人を増やしたい。目先の利益や自分だけが良くなる環境にとらわれず、未来の世代のためのエコな地域づくりに協力してほしい」と呼び掛ける。
回収ボックスの設置期間は11月22日までを予定。交換会の開催時間は11時~13時。「#スクールエコもりおか」の活動内容や交換会の詳細はフェイスブックページで発信している。