矢巾町の矢幅駅周辺エリアで10月11日、「や市(いち)」が開催される。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、今年度の各種イベントが中止・延期となっている同町。イベントなどへの出店機会も少なくなっていることから、町内の事業者や関係団体の売り上げ減少、活動の自粛にもつながっているという。この状況の中で今後のイベントのあり方を見直し、感染対策をしっかりと行った上で「ウィズコロナ時代」の新たなイベントの創出を検討し、町内の事業者と共に地域活性化を図る「や市」を企画した。
「や市」は矢幅駅とその周辺エリアの屋外をメインとし、せせらぎ通りエリア、肉バルサンダーエリア、矢幅駅多目的広場特設会場エリア、ねむの木公園エリア、さんさ踊りエリアの5つの会場を設ける。矢幅駅の東側の「せせらぎ通り」は歩道が広く、イベント利用向きの作りになっているという。「せせらぎ通り」を活用するとともに、以前から声があった「駅前のにぎわいづくり」を実現させ、複数の会場を設けることで来場者を分散し、距離の確保にもつなげる。
せせらぎ通りエリアには、町内から24の事業者が出店。飲食の提供、野菜や雑貨品などの物販を行うほか、友好都市である普代村も出店し海産物を販売する。飲食店「肉バルサンダー」のエリアには、同店のほか飲食店6店が出店。ねむの木公園エリアでは岩手県立大学の学生らが、小学生以下の子どもを対象にしたミニゲームを実施する。
矢幅駅多目的広場特設会場エリアは、2020年東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン事業に関する紹介コーナを設けるほか、14時15分から27分まで、同駅でJR特別運行列車「なごみ」の出迎えと車両観覧も行われる。矢巾町活動交流センター「やはぱーく」の駐車場を利用した「さんさ踊りエリア」では15時から、2つの団体がさんさ踊りを披露する。
同日開催として、「屋台村YAHABAR(ヤハバル)」内では「ヤハバル秋まつり」、リノベーション複合施設「kurumi apartment(くるみアパートメント)」では近隣農家による「ファーマーズマーケット」が行われる。
本年度の「や市」は今回のみの開催を予定しているが、来年度以降は定期開始を目指しているという。来場時にはマスクの着用や手指の消毒など感染症対策への協力を求めるほか、飲食品はテークアウト方式を中心とし、イベントを見て回り、家に持ち帰って楽しめる形に工夫している。
同町産業観光課の担当者は「来場者も運営側も互いに協力し合って、対策を万全にした上で、ウィズコロナ時代の新しいイベントとして続けていきたい。町の事業者の皆さんと共に地域の活性化を目指す。楽しんで」と呼び掛ける。
開催時間は10時~16時。雨天決行。イベントの特定駐車場は設けていないため、有料駐車場や公共交通機関の利用を呼び掛けている。