岩手県は現在、オンラインストアで岩手の県産品を販売する「買うなら岩手のもの バーチャル物産展」を行っている。
県では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて売り上げが減少している県産品の消費拡大を呼び掛け、地元生産者や事業者の応援につなげるため、今年3月から「買うなら岩手のもの運動~買って、食べて地域を元気に応援キャンペーン~」を行ってきた。「バーチャル物産展」もこのキャンペーンの一環として企画された。
きっかけには、コロナ禍の中で県外での物産展の開催が難しい現状がある。加えて、東京のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」は4月から5月末まで一時休業、県外から岩手へ訪れる観光客も減少していることもあり、県産品の販売機会や売り上げが減ってきているという。こうした状況から、ECサイトを立ち上げることで県内外から県産品を購入し、応援できる仕組みを取り入れた。
県産業経済交流課の担当者は「県内の生産者や事業者の皆さんからは、『県外に行くのはまだ大変』『感染症対策で不安がある』という声も聞こえる。オンラインでの販売であれば、販売する側も購入する側も安心に利用できる」と話す。
「バーチャル物産展」は9月9日にオープン。98社240品目以上の県産品が販売されている。県産品は海産物・農産物・畜産物・酒類・麺類・菓子類・工芸品など10のカテゴリーに分け、カテゴリー別や値段別、県内のエリア別で商品を検索できる。購入できる県産品は全て3割引で提供。販売目標額は2億円で、期間中は商品の入れ替えや追加も予定している。
オープン後は県産品を好んで購入していた人からの反応が良く好評を得ているほか、県内利用者も多いという。これから徐々に利用者を増やしていきたい考えもある。
担当者は「これだけの県産品が一堂に会する取り組みもなかなかない。県民の皆さんからも『こんな商品あったんだ!』という発見の声が届いている。県外の岩手ファンの皆さんや、今年岩手へ旅行を計画していた皆さんにも、バーチャル物産展で岩手のものを取り寄せて、食べて、使って、少しでも岩手を感じて楽しんでもらえればうれしい」と呼び掛ける。
期間は2021年1月29日まで。状況によっては終了が早まる場合がある。