盛岡の創作ジュエリー工房「SILVER ART KAORI」代表のジュエリーデザイナー・千葉香さんが、「GLAWISビューティーコンテスト 日本代表最終選考大会」で日本代表タイトルを獲得した。
同コンテストは、コンテスト運営会社「GLAWIS(グラウィス)」による「GLAWIS Mrs. Classic Grand Universe NORTH ASIA 2020 grand prix」の日本代表を選考するもの。
千葉さんは盛岡に工房を構えて28年。手や盛岡のものをモチーフにしたジュエリーを手掛ける。ミセスコンテストには今回初挑戦。きっかけには新型コロナウイルス感染症の影響もある。千葉さんは全国各地での出展も続けてきたが、感染症の影響を受け予定していた出展は軒並み中止。この状況下で「工房をつぶさずに頑張っていくために、自分自身にできることを」と模索を続けていた。
もう一つのきっかけには千葉さん自身が続けてきた「筋トレ」がある。昨年は筋トレをテーマにしたジュエリー展も開いている。「そんなに体を鍛えてどうするの、何を目指しているの、とよく聞かれる」と千葉さん。その問い掛けから、「セルフプロデュースで何かにトライしてみよう」と思いが生まれ、ミセスコンテストへの挑戦を決めたという。
ミセスコンテストは見た目の美しさだけではなく、コンテスト時にクリアしなければならない課題が多い。今回のコンテストでは英語での自己紹介やプレゼンテーション、質疑応答が必要となった。初めてコンテストに挑む千葉さん。メークやステージ上でのウオーキング、英会話を全て独学で習得した。
千葉さんは「首都圏であればレッスンを受けられる環境も、気軽に練習できる場所があるが、盛岡ではそううまくいかない。加えて新型コロナの影響もある。他人と比べずに自分と向き合い続けたこと、方法が無いなら自分で考えて動こうと思えたことが結果につながったと感じる」と話す。
最初の審査の結果、千葉さんはセミファイナリストに合格。その後ファイナリストとなり、6月23日に行われた日本代表最終選考大会に出場。見事、「GLAWIS Mrs. Classic Grand Universe NORTH ASIA 2020 grand prix」の日本代表となった。発表された時は「だまされているんじゃないか」とも思ったという。グランプリ獲得後は「私もトレーニングを始めた」「刺激を受けた」「一緒に頑張りたい」という応援メッセージも届いている。
当初は「どうしたら良いものづくりをしていることを広めることができるか」という思いからチャレンジした千葉さんだったが、準備を進める中で「岩手・盛岡からも世界に誇れるものを生み出せることを伝えたい」と思い始めた。世界大会では「岩手・盛岡の良いところを全てPRする」と目標を掲げる。
本来であれば8月12日から23日までフィリピン・ダバオ市で開催される予定だった世界大会は延期になった。今年の年末かグランプリタイトルを来年に持ち越しての開催が予定されている。「本来のスケジュール通りだと世界大会までの期間が短かったので、逆にしっかり準備を整えられる」と千葉さん。延期をポジティブに受け止め、この期間をスキルアップや準備に充てる。
「今回の挑戦は自分の立ち位置を確認できたし、とても勉強になった。まずは自分が楽しむこと。世界大会までの期間を楽しみながら待ちたい。岩手だからといってできないことはない。日本、岩手、盛岡の良さを全て持って臨みたい」と意気込む。