プロレス団体「みちのくプロレス」は5月30日、「岩手・滝沢市みちのくプロレス道場」(滝沢市大釜)で「大釜最強決定リーグ戦」を開幕した。
同団体では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため3月から興行を中止。5月13日に岩手県で同感染症に関する緊急事態宣言が解除されたことを受け、23日から道場を会場とした「道場プロレス」で興行を再開した。5月中は来場者を岩手県在住者20人に限定し、客席も十分間隔を取り、換気をよくするため館内の窓・扉を開放。来場時には、マスクの着用・手洗い・消毒用アルコールの使用を呼び掛け、レスラーたちもリングに上がる前には消毒を行っていた。
観客を入れての興行再開は国内のプロレス団体では初だったという。来場者も感染対策に積極的に協力し大いに盛り上がり、「待っていた」「本当に再開してくれてよかった」という声も寄せられた。「来場者を限定した状況ではあったが、その何倍も、何十人分もの熱気と声援を感じた」と所属レスラーののはしたろう選手。「自分たちが日々練習するのは、皆さんに見てもらうため。興行中止が続く中、選手たちの中でも『何のために練習しているのか』という気持ちが出始めていた。その中で、再開という目標を早めにつくることができたのが何よりだった」と振り返る。
5月30日は、道場がある「滝沢市大釜」の周辺に住む選手6人による「大釜最強決定リーグ戦」が開幕。ベテラン・新人関係なく「大釜内で一番」を決めるため、6月28日の決勝戦まで毎週土曜・日曜に総当たりのリーグ戦を行う。
出場選手は滝沢出身のMUSASHI選手、24日の「道場プロレス」で復帰したばかりの郡司歩選手、今年でデビュー3年目を迎える川村興史選手と大瀬良泰貴選手、デビュー4カ月の小笠原泰良選手、そして出場メンバーの中では一番のベテランとなるのはし選手。それぞれスタイルも異なり、見応えのある試合となる。
リーグ戦が開催できる背景には、選手の人数が増えたという理由もある。川村選手・大瀬良選手は当時6年ぶりとなるデビュー。小笠原選手も同期の中で残ったのはたった1人だった。若い選手らの活躍にも期待が寄せられる。リーグ戦の実施は12年ぶりだといい、前回の優勝はのはし選手だった。のはし選手は「今回ももちろん優勝を目指す」と意気込む。
6月からの「道場プロレス」は東北6県からの来場者20人に限定。引き続き感染症対策を万全にし、チケットは電話予約のみとなる。今後の状況によっては受け入れ態勢を整え、来場者の枠を広げる可能性も検討している。
のはし選手は「プロレスに限らずスポーツはリモート観戦が主流になっているが、やっぱりライブが一番。国や自治体の指示に基づいて、生の熱気を可能な限り届けたい。限定された環境下で選手たちも試合に飢えていた。ようやく試合できる喜びとともに、いつも以上に熱い試合を見せたい。岩手で産声を上げた『みちプロ』が、また岩手から再スタートを切った。プロレスを通じて元気を届け、それを受け取った人が次の人へ元気を届けてほしい。皆さん一緒に盛り上がろうぜ」と呼び掛ける。
試合の詳細や予約方法など最新情報は公式ホームページに随時掲載する。