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岩手県内の市民劇脚本集が発売 市民劇の面白さを広めて

「岩手の市民劇」表紙

「岩手の市民劇」表紙

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 岩手県内で上演された市民劇で実際に使われた脚本をまとめた書籍「岩手の市民劇」が3月26日、発売された。

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 著者の道又力(つとむ)さんは盛岡在住で脚本家としても活動し、「盛岡文士劇」や県内各地の市民劇の脚本を手掛けている。「盛岡は日本で唯一の文士劇が残っていて、アマチュア劇団が多い街として知られている。盛岡だけではなく、岩手県内でも市民参加の芝居が多いように感じていた」と道又さん。

 NPO法人いわてアートサポートセンターが実施したアンケート調査によると、各都道府県でのミュージカルを含めた市民参加舞台の実施数は、1位が岩手県の18、2位が兵庫県の8、3位が千葉県の6となったという。この事実を広めるとともに、市民劇の面白さを多くの人に認識してもらおうと、道又さんが手掛けた市民劇の脚本を一冊の本にまとめた。

 同書は盛岡・紫波・二戸・奥州・宮古で上演した5つの市民劇の脚本集。盛岡は2010(平成●)年に行われた第10回おでってリージョナル劇場「わたしの盛岡」、紫波は2014(平成●)年の第4回紫波町民劇「南部杜氏(とうじ)事始 村井権兵衛物語」、二戸は2017(平成●)年の第4回二戸市民文士劇「相馬大作物語」、奥州は2017年の第9回奥州市民☆文士劇「石川五右衛門 あっぱれ!天下の大泥棒 太閤(たいこう)様にもの申す」、宮古は今年2月に行われた第2回みやこ市民劇「鍬ヶ崎エレジー 激突!宮古港海戦」が選ばれている。

 脚本の内容に加えて、出演者やスタッフの情報も記載するほか、それぞれの市民劇・町民劇を紹介するページも用意。巻末には県内で行われる全市民劇の一覧も掲載している。

 同書には「市民劇にもっと親しんでほしい」という道又さんの思いが込められている。道又さんは「芝居は敷居が高く、素人がやっていると思えばなおさら。良さはいろいろあって、例えばその地域の知られざる歴史や偉人を取り上げているところ。身近な場所や自分たちの先祖に当たる人がテーマになっている。地元に対する愛着や理解が深まると思う。一人の市民がキャストやスタッフとして成長していく姿も魅力。まずは市民劇に足を運んでもらい、『いいな』と思ったら、次は出演者や裏方として加わってみて」と呼び掛ける。

 A5判で、価格は1980円。発行部数は300部。盛岡市内では「さわや書店」、紫波町では「野村胡堂・あらえびす記念館」、二戸市は「二戸市シビックセンター」、奥州市は「江刺体育文化会館ささらホール」、宮古市は「宮古市民文化会館」で取り扱う。

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