盛岡市の中心街を流れる中津川でサケが遡上(そじょう)している。
中津川に架かる橋の上からは、市民がサケの姿を求めて橋の上からのぞき込んだり、川岸ではひと目見ようと、カメラを片手にしながら川岸にそっと近づく様子が見られた。
朝から晴れ渡った同日午後、中津川にかかる与の字橋と上の橋間の浅瀬では、北上川の河口からおよそ200キロの距離を泳いできたサケの姿が計6匹確認された。その大きさは70センチ前後。雄のサケが雌の産卵を促す行動は見られなかったが、今後10月に入ると産卵を間近に、雄が雌を追い回す姿も見られるようになるという。サケはさらに上流の浅岸付近でも見られる。
中津川は北上川の支流で、内陸の都市部でサケが遡上することで知られる。長年行われた稚魚の放流事業が功を奏し、成魚が帰ってくるようになった。平成に入ってからは小学生らによる稚魚の放流も行われている。
毎年、9月中旬になるとサケの遡上が始まるが、今年はやや遅くなっていた。