「SoRa cafe feat.waffle cafe Sign」(盛岡市北飯岡1)で12月25日、認知症を患った人がホールスタッフを務める「注文をまちがえるカフェ」が開催される。
イベントを主催するのは、学習塾などを運営する「SoRa Stars」。イベントの基となっているのは、2017(平成29)年から東京都などで開かれている、認知症を患う人が従業員となる「注文をまちがえる料理店」。同社が運営するカフェで実施することから今回は「注文をまちがえるカフェ」とした。
同社では地域で活躍する大人たちを「先輩」として招き、子どもたちや学生らと共にさまざまな話を聞く「パイセンカフェ」というイベントを開いている。今年9月の「パイセンカフェ」の講師に、認知症サポーター養成講座を定期開催している「飯岡・永井地域包括支援センター」の職員と認知症患者を迎えたことが「注文をまちがえるカフェ」を開催するきっかけの1つになったという。
SoRa Stars社長の山崎智樹さんは、塾へ通う子どもたちや学生らと関わる中で「自分が住む地域にはいろいろな人がいる」ことを知ってほしいという思いを持ち、地域づくりの活動にも力を入れる。
山崎さんは「介護や福祉の世界についてきちんと学ぶ前は、自分から離れた分野のものだと考えていた。子どもたちにとってはもっと距離がある世界だと思う。でも、高齢者や認知症の人も同じ地域に暮らす身近な存在でもある。教育の領域から1つの学びとして、地域に住む人のことを知り、受け入れ、『自分ごと』とするきっかけになればと願う」と話す。
当日は「飯岡・永井地域包括支援センター」の協力の下、10人ほどの認知症患者がホールスタッフとして参加。それぞれ役割分担をしながら、来店客に注文を聞いたり、食事を運んだりする。運営には学生らも関わり、認知症の人と来店客の交流をサポートする。
来店客については事前に応募を受けた後、抽選を行って決定する。「学び」という観点から、来店客も学生中心とすることを考えているという。
山崎さんは「私自身も子どもたちと共にいろんなことに触れ、いろんなことを学んできた。今回も皆さんと一緒に一歩踏み込んでいきたい。認知症のスタッフの皆さんが注文を間違えても『そういうことがあってもいいよね』と思ってもらうと同時に、『そういう風に受け止められる寛容な社会があってもいいよね』と感じてほしい」と呼び掛ける。
入店時間は13時30分と14時の2部制で、閉店は15時30分。応募は専用ウェブフォームで受け付ける。締め切りは12月12日23時59分。選考結果は郵送で通知する。参加方法などに関する問い合わせは「飯岡・永井地域包括支援センター」(TEL 019-656-7710)まで。