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岩手県立図書館で「賢治資料展」 「農民芸術」テーマに新たな一面

新規資料の展示やテーマ展示が行われている4階展示コーナー

新規資料の展示やテーマ展示が行われている4階展示コーナー

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 岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で現在、「第34回 賢治資料展」が開催されている。

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 同館では開館当初から、郷土を代表する作家・詩人として宮沢賢治と石川啄木についての資料を網羅的に収集し、新たに集まった資料はそれぞれ隔年で開催する「賢治資料展」と「啄木資料展」で公開している。

 今回の「賢治資料展」は、10月27日から11月9日までの「第73回読書週間」の期間に合わせてスタートし、館内各所で賢治に関する展示を企画。4階の展示コーナーでは、前回の展示以降の約2年で収集した新規関連資料をメインに、「農民芸術~賢治の理想と実践」と題したテーマ展示が行われている。

 テーマ展示では「羅須地人協会」での活動を中心に、農業に向き合い、文化的な活動を通じて地域の人との交流を深めた賢治の姿を、その様子が表れる作品や関連書籍、新聞記事などの資料を通じて紹介。「春と修羅」の初版本や作品集のほか、自筆の楽譜や教材絵図、セロの学習ノートなどのパネルも並ぶ。後半では、彼の精神を受け継いで活動に取り組んだ人物も取り上げる。

 新規収集資料では賢治作品の絵本や書籍、賢治についての研究書籍など展示。あわせて、3階の児童書コーナーでは絵本を多数展示する「絵から広がる賢治の世界」を展開する。関連企画としては、来館者による投票企画「賢治童話 わたしのいちばん!」も開催。館内3カ所に投票所を設け、来館者がお気に入りの賢治童話に票を入れる。4階展示コーナーの投票所には、岩手にゆかりがある作家10人によるお気に入りの賢治童話の紹介と、コメントも展示している。

 同館の担当者は「『農業の辛い労働だけではなく、芸術文化を取り入れて一人一人が充実した暮らしを』という賢治の思いや理念は、現代の暮らしでも取り入れられる場面があると思う。テーマ展示や新規資料を通じて、童話や詩の作り手だけの面ではなく、農民、そして教える側として活動した賢治の一面にも触れてみて」と呼び掛ける。

 開館時間は9時~20時。期間中、11月29日、12月27日、12月29日~1月3は休館。来年1月13日まで。

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