「ジュンク堂書店 盛岡店」(盛岡市大通2)は、クリスマスに厳しい環境に置かれている全国の子どもたちへ絵本を届ける社会貢献プロジェクト「ブックサンタ2019」に11月1日から参加している。
「ブックサンタ」は、クリスマスイブの夜にサンタクロースが子どもの元を訪れプレゼントを渡す活動などに取り組むNPO法人「チャリティーサンタ」が、2017(平成29)年にスタートした取り組み。経済的理由や、病気・けがによる入院、自然災害による被災などの理由によって、クリスマスに厳しい環境に置かれている子どもがいる家庭を対象に、クリスマスプレゼントとして絵本を届ける。
この取り組みには今年、全国282書店が参加。取り組みには誰でも参加でき、支援者は対象の書店で子どもたちに贈りたい絵本を自由に選び、購入時にレジで「ブックサンタにお願いします」と伝えると、絵本を預かる代わりにステッカーなどの参加証がもらえる。全国から集まった絵本はラッピングし、ボランティアの手によって仕分けられ、その後、各地のチャリティーサンタへと渡り、事前に申し込みがあった家庭や施設などへサンタが絵本を届ける。
「チャリティーサンタ」代表の清輔夏輝さんは「取り組みを思い付いた背景には、自分自身の幼少期を思い返すと、絵本が大切な思い出の1つになっていたこともあると思う。クリスマスは子どもたちが1年で一番楽しみにしている日。絵本の寄付という形で協力してもらえたなら、私たちはそれをサンタさんからの特別なプレゼントとして届ける」と話す。
今年から「丸善・ジュンク堂書店」が取り組みに参加したことを受け、「ジュンク堂書店 盛岡店」も対象店舗となり、盛岡でも「ブックサンタ」がスタート。売り場の一角にポスターを貼って知らせているが、子どもたちの目に入らないような高さや場所に掲示するなどの工夫もされている。
絵本に限らず、本を贈り物に選ぶ人は多いという。全社的な取り組みではあるが、「『ブックサンタ』を知ってもらうことや、プレゼントとして本を選んでもらうきっかけや、来店のきっかけにしてもらいたいという思いもある」と土屋容店長。
「こういう取り組みがあるということを知ってもらいたいし、これから先も続いて広まっていくものになっていけばと思う気持ちもある。誰かのプレゼントに本を選ぶ、贈る相手をイメージしながら選ぶ楽しみも感じてもらいたい。その時に『ブックサンタ』のことも頭のどこかに置いてもらえれば」と呼び掛ける。
書店での寄付以外に、オンライン書店を使った寄付やクラウドファンディングでの支援も行っている。「ジュンク堂書店 盛岡店」の営業時間は10時~21時。実施期間は12月24日まで。