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「市民参加劇読本」の増補版が完成 新たな市民劇の誕生も願って

「市民参加劇読本『市民劇をつくり続けるために』」表紙

「市民参加劇読本『市民劇をつくり続けるために』」表紙

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 NPO法人「いわてアートサポートセンター」は、市民参加劇についての冊子「市民参加劇『市民劇をつくり続けるために』」の増補版を発行した。

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 同冊子は昨年2月に発行。市民劇を続けていく課題やその対策について検証・研究した内容となっている。発行のきっかけになったのは、同法人が宮古市の市民と共に昨年立ち上げた「みやこ市民劇」。予想外の反響を受けて隔年での継続開催が決まり、「他の沿岸地域での開催」や「文化芸術でも復興を」という思いが生まれつつあった。

 加えて、岩手県内では市民劇が盛んだという背景もある。同法人による調査によると、県内18カ所で上演され、全国1位の数だという。その一方、市民劇に特化した冊子は少なく、現在市民劇に関わる人や、これから立ち上げようとする人が役立てられるよう、裏方に関わる人に向けた内容を一冊にまとめた冊子を作り上げた。

 編集に携わった藤原瑞基さんは「市民劇は、市民の団結や地域の文化を向上させる力があると感じている。市民劇を開催していない街の人が冊子を読んで、理解を深め、実際に劇を見て『やってみよう』と思ってもらいたい」と話し、「すでに関わっている人も、読んでもらいながらさらに進んで行ってもらえると思う。この一冊をきっかけに、新たな市民劇が誕生したら本当にうれしい」とも。

 掲載している内容は、各地の市民劇関係者へのヒアリングや鼎談(ていだん)をメインに、各市民劇の立ち上げから公演、継続に関わるエピソードなどをまとめ、生の声をふんだんに生かした。初心者に向けた「Q&A」や、基本的な知識・用語を解説するページも用意したほか、増補版では舞台芸術や大道具に関する項目も追加した。

 同じく編集に携わった安藤奈律美さんは「昔舞台に立っていた人、舞台に立ちたいと思っている市民の皆さん、少しでも市民劇が気になっている人にも届いてほしい一冊。一歩踏み出すきっかけになれば」と呼び掛ける。

 価格は500円。市内では「いわてアートサポートセンター 風のスタジオ」のほか、「もりおか町家物語館」で取り扱う。

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