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盛岡に南部鉄器ブランドの「カフェ&ショップ」 鉄瓶を気軽なものに

店舗奥のショップスペースには鉄瓶がズラリ。もちろん縁側も

店舗奥のショップスペースには鉄瓶がズラリ。もちろん縁側も

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 南部鉄器の製造・販売を行う「タヤマスタジオ」(盛岡市向中野7)がプロデュースするカフェ&ショップ「お茶とてつびん engawa(えんがわ)」(盛岡市中ノ橋通1)が8月1日、オープンした。

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 同社では、南部鉄器を日常の道具として使ってもらうことを意識したブランド「kanakeno(かなけの)」を2017(平成29)年に立ち上げ。ウェブ上で鉄瓶の販売を行うとともに、イベントなどを通じて鉄瓶の魅力を広く発信し続けている。イベントの中には、鉄瓶で沸かした白湯を試飲するといった体験型の内容も多い。

 ウェブ販売だけではなく、製品を手に取って見てもらえる場所が必要との考えから、カフェ&ショップのオープンに至った。実際に鉄瓶を購入するのは利用者にとってハードルが高いとも感じていたといい、飲食店を併設することで道具としての鉄瓶の良さを気軽に体験できると構想したという。カフェで鉄瓶を使用する体験できるほか、ショップはさらに詳しく知ることができる「ショールーム」のような空間を目指す。

 「タヤマスタジオ」社長の田山貴紘さんは「鉄瓶といえばいろりにぶら下がっているイメージがいまだに強く残っているが、現代の家庭にいろりがあることの方が珍しい。今の時代に合わせた情報発信をする必要がある」と話し、「南部鉄器を扱う店には日常的に足を運ばない。でも飲食店であれば普段から入る機会が多くあり、気軽に利用してもらえると思った」とも。

 店名の「engawa」は、「縁側」が屋内と屋外を結ぶちょうど中間点であること、コミュニケーションの場でもあったことから命名。鉄瓶が地域や市民、観光客などと「縁」を結べる場所にしたいという願いも込めた。店舗が入居するのは写真館として使われていた建物の1階部分で、奥には縁側もあり、「運命的な出合い」で場所を決めたという。

 店内は、道路に面した手前側にカフェ、奥の座敷部分がショップとなる。カフェでは鉄瓶で沸かしたお湯を使ったコーヒーなど、一部のメニューの調理に南部鉄器を使用。店名に「お茶」と入っている通り、紅茶をはじめとする「お茶」メニューも多く、スープやカレーなどのランチメニュー、チーズケーキ、特製バナナジュースといったカフェメニューのほか、アルコール類も用意する。ショップでは、「kanakeno」と、「田山鐵瓶(てつびん)工房」の鉄瓶を展示販売。スタッフが常駐し、詳しく説明もする。

 今後は南部鉄器の要素を取り入れたメニューを増やすほか、来店した人が好みの製品を見つけられるような仕組み、イベントの開催、若手職人の育成に向けた取り組みなども予定している。

 田山さんは「何よりも気軽にお茶をしに来てもらえるのがうれしい。その中で、鉄瓶について知ってもらうことができれば、もっとうれしい。良いものに触れられる場所を作っていきたい。『盛岡っていいね』とも思ってもらえれば」と呼び掛ける。

 営業時間は、カフェ=11時30分~21時(土曜・日曜は17時30分まで、ランチは14時30分ラストオーダー)、火曜定休、ショップ=11時30分~17時30分、月曜・火曜定休。

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