各地域の菓子などを少しずつ詰め合わせた土産セット「協力隊印 いわて盛り」の盛岡版を作る「キックオフミーティング」が7月30日、「盛岡ふれあい覆馬場プラザ」(盛岡市青山2)で行われた。
「協力隊印 いわて盛り」は県南地域の地域おこし協力隊メンバーらが考案し、2017(平成29)年に販売をスタート。個人の目線で商品を選び、地元で長く愛されている味や話題の商品など、数種類の商品が袋に詰められている。現在は一関・花巻・北上・奥州の4種類が販売されているほか、期間限定セットもある。各地で「いわて盛り」を企画するメンバーは「土産おこし協力隊」として活動している。
盛岡版を作りたいとミーティングを主催したのは、市内で「すっぱい林檎(りんご)の専門店。」を運営する藤野里美さん。藤野さんは「お土産おこし協力隊」へコラボレーションを提案し、昨年、「いわて盛り」の「すっぱいセット」を限定販売している。その頃から「盛岡セット」を作りたいという考えがあった。
キックオフミーティングは、「盛岡セット」を買い手や作り手、商品開発や販売に関わる人と共に完成させようと企画。当日は藤野さんと、「いわて盛り」の考案者の1人で花巻市地域おこし協力隊の岡田芳美さんのほか、各地の特産品や工芸品などを扱う「かわとく壱番館」と盛岡市農政課の担当者、市内在住の男性の計4人が参加した。
岡田さんは「いわて盛りは発売以降、多くの人に興味を持ってもらい、購入してもらってはいるが、お土産品としての定着度はまだ弱い。県内で仲間を増やしていきたいので、盛岡セットができるのであればとてもうれしい」と話す。
農政課職員は「最近は盛岡を『コーヒーの街』という人も多いので、コーヒーやそれに合うものを選ぶのはどうだろうか。盛岡産の食材を使った製品も取り入れてもらいたい」と提案。他地域の「いわて盛り」を取り扱っていた「かわとく壱番館」の担当者からは、「盛岡版はないのかという声も多い」という話のほか、「いわて盛りは、各地のお土産というより岩手のお土産として求められているように感じる。買い手の求めるものが、大量に配るようなお土産から少量で手頃な価格のお土産へ変わってきている中で、いわて盛りは大きさや価格の面でちょうどいい。内容はもちろん、いつ、どこで、どうやって売るかをしっかり定めることが重要」というアドバイスもあった。
SNSでの告知を見て参加したという男性は「盛岡だけの名物は意外と少ないように感じる。お菓子にこだわらず、調味料やおつまみ、新幹線の中でちょっと食べられるような商品や、変わっているものが入っているとうれしい」と話す。
ミーティングの結果、今年12月の販売開始にゴールを設定。今後も定期的にミーティングを行い、内容物や価格帯、販売箇所などを選定していく。次回以降のミーティングから新たに参加する人も迎え入れ、SNSなどで開催告知を行っていく。
藤野さんは「少人数ではあったが、プロの目線と買い手からの意見を知ることができてスタートにふさわしい内容だった。これからはゴールを見据えて進めていきたい」と話し、「たくさんの人と協力して、皆さんの声を聞きながら完成させたい。楽しいアイデアを聞かせて」と呼び掛ける。