盛岡市による「食と農」をPRするウェブサイト「美食王国もりおか」では、農家と共に農作業を行う「畑のお手伝いプロジェクト」をスタートする。
ウェブサイトは市が2017(平成29)年から取り組んでいる「もりおかの食と農バリューアップ推進事業」の一環として開設し、今年で3年目を迎える。盛岡市産の農畜産物を愛する人たちによる「美食王国ファンクラブ」の仕組みもあり、会員に向けた情報発信など行ってきた。
今回の「畑のお手伝いプロジェクト」は、ファンを増やすためのアイデアとして、ファンクラブ事務局を務める旅行会社「トラベル・リンク」が企画。農畜産物と生産者や産地をもっと身近に感じてもらおうと、農家を訪れ、実際に作業を行う内容を考案した。
同社の北田公子さんは「消費者としてだけではなく、作る側へ少し踏み込むことで農畜産物を身近に感じてもらいたいと思い企画した」と話し、「今回行うのは農業体験ではなく、農作業のお手伝い。農作業好きの人や現場を知りたい人、これから農家を目指したい人、農業に関わりたい人、そして農作業初心者も大歓迎。農業はいきなりスタートするのが難しい分野なので、良いきっかけになれば」とも。
1回目は6月にファンクラブ先行イベントとして「盛岡りんごの摘果」を企画していたが、残念ながら雨天のために中止。実質的な第1弾は7月20日・22日に開催される「いわて若江農園トマトコース」となった。「トマトコース」では、市内猪去の大型農園で栽培されているトマトの収穫から袋詰めまでの作業を手伝う。7月4日から申し込みをスタートしたが、22日分は早い段階で定員となり、20日も定員間近だという。
第2弾は8月31日から9月8日にかけて行われる「砂子沢アロニアコース」。市内砂子沢地区で栽培されているアロニアの収穫作業を手伝う。アロニアは限られた人数で生産しているため、作業が集中する収穫時期は特に手伝いを必要しているという。参加者は自分が参加したい希望日を選んで参加し、当日の作業は砂子沢アロニア生産組合員の指導を受けて作業を行う。
プロジェクトは今後も継続予定で、10月には盛岡りんご、11月には黒平豆を予定している。このほかにも、産地を巡るスタディーツアーや伝統食に触れるイベントも企画している。
北田さんは「盛岡は流通やマーケットにも恵まれ、新鮮な食材が食べられる環境がある。それこそが『美食』だと感じている。自分が普段食べているものがどのように育ち、どのような作業が行われて手元に届くのかを感じられるイベントを続けたい」と意気込み、「身近にある新鮮な食材と、盛岡の産地を楽しみながら知ってもらう入り口になる企画。気軽に参加して」と呼び掛ける。
「アロニアコース」の申し込み受け付けは7月14日10時から開始。参加費は500円。「美食王国もりおか」の申し込みフォームもしくは、電話(TEL 019-658-8644)で受け付ける。定員は各日5人程度。