もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で現在、テーマ展「改元と新元号」が開催されている。
5月22日に始まった同展は、平成から令和への改元にちなみ企画。新元号発表後に展示内容を練り直し、「令和」までの248の元号を紹介する大きなパネルや元号の出典にまつわる資料、改元を迎えた盛岡藩の様子を示す資料など10種類が並ぶ。
元号の出典に関するものでは、「令和」の出典となった「万葉集」の「梅花の歌三十二首の序文」のほか、平成の出典となった古代中国の歴史書「史記」、昭和の出典となった「書経」、大正の出典となった「易経」を展示。江戸時代には教科書のように使われていたという「万葉集」には、持ち主による書き込みも残っている。
改元を迎えた盛岡藩の様子は、盛岡藩の家老が日々の記録を書いた「盛岡藩家老雑書」にも記され、改元が発表されてから盛岡に伝わるまで長い時間がかかったことが分かるという。担当学芸員の太田悌子さんは「今と同じく改元には天皇が関わっていたので、天皇がいる京都で改元が発表され、幕府がある江戸へ伝わり、江戸から各大名へと伝わる。盛岡へ改元が伝えられるまでは1カ月以上も時間がかかっている」と話す。
6月13日には学芸員が展示内容について詳しく話す「ナイトミュージアム」も実施。資料から読み取れる時代背景や元号が持つ意味、身近なものと元号のつながりなどを紹介していく。ナイトミュージアムは当日18時30分から受け付け、事前申し込みは不要。19時~20時30分を予定する。
太田さんは「今は一つの元号が変わるまで長い時間があるが、短い期間でころころ変わっている時代もある。たとえば革命による改元。めでたい時や悪いことが起きた時、代替わりの時も改元していて、支配者が自分の権力を見せつけるためのものという考えもあった。令和という元号がめでたい雰囲気で迎えられたのもユニークな現象だと思う」と話し、「言葉に願いを込めて元号を付けるのは、漢字を使う国ならではの文化。元号を面白いものとして捉えて、楽しみながら知ってもらいたい」と呼び掛ける。
開館時間は9時~19時(2階展示室への入場は18時30分まで)。第3火曜休館。入場料は、大人=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。6月17日まで。