リノベーション施設「kurumi apartment(クルミアパートメント)」(矢巾町)が11月23日、オープンした。
7月いっぱいで矢巾町内での営業を終了した「わたみ電気」の店舗をリノベーションした同施設。45年営業を続け、「まちの電気屋さん」として愛されてきた建物の使い道としてリノベーションのアイデアがあり、町内の「くらしすた不動産」が相談を受けた。
改装工事はお盆明けから改修工事をスタート。築45年の2階建ての建物の壁・床・天井に断熱改修を加えた。施設名の「kurumi apartment」には、「断熱材で建物を暖かくくるむ」「まちぐるみで楽しもう」といった意味を込めた。
9月には完成前の姿を見てもらおうと「未完成見学会」も実施。来場者からは「あの電気屋さんがどうなるのか楽しみ」という期待の声が多かったという。「くらしすた不動産」の星麻希さんは「矢巾に生まれ育った人と話すたび、『わたみ電気』が町の皆さんに心から愛されて、頼りにされていたことをひしひしと感じた。その精神と場所を受け継いで、町を温かく照らし、人が笑顔になってつながる場所にしていきたい」と意気込む。
現在、施設1階には「VEGETARIAN CAFE MY NAME IS(ベジタリアンカフェ マイネームイズ)」と「TOM CREPERIE&DELI(トム クレープリー&デリ)」の2つの飲食店、2階には美容室「VINGT QUATRE Denim(ヴァンキャトル デニム)」が入居。このほかレンタルキッチン付きのレンタルスペース「くるみコモンズ」も1階に備え、2019年春には新たに2店舗のオープンを予定している。
オープン以降、町内だけではなく紫波・盛岡など近隣地域から訪れる人も多く、レンタルスペースにも問い合わせが集まっているという。星さんは「レンタルスペースも需要があるか心配だったが、問い合わせの内容もバラエティーに富んでいてこれからが楽しみ」と話し、「まずは施設に来て、おいしいものを食べたり、プロの技術を感じたりしてもらいたい。集まった人が互いに緩く穏やかに交わり合うような空間でありたいと思う。これからも長くまちを照らす拠点になれれば」と話す。