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紫波・野村胡堂記念館で「中一弥挿絵展」 「銭形平次」の挿絵を紹介

中一弥さんが初めて描いた「銭形平次」の挿絵

中一弥さんが初めて描いた「銭形平次」の挿絵

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 「野村胡堂・あらえびす記念館」(紫波町)で現在、平成30年度第2回企画展プレ挿絵展「挿絵画家・中一弥が描いた銭形平次の挿絵」が開催されている。

 中一弥さんは2015年に104歳で亡くなるまで生涯現役で活躍した挿絵画家。多くの時代小説の挿絵を描き、紫波町出身の作家・野村胡堂の代表作「銭形平次捕物控」や長編小説「隠密縁起」の挿絵も手掛ける。

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 プレ挿絵展は、12月11日からスタートする企画展「中一弥 挿絵展~野村胡堂『隠密縁起』より」に先立ち行っている。企画展の開催前に中さんや挿絵画家という仕事について知ってもらおうと事前の紹介を兼ねて企画した。中さんは1941(昭和16)年から1943(昭和18)年までの約2年半に渡り、「銭形平次捕物控」の挿絵を担当。作品が連載していた「文藝春秋オール讀物」の中から、同館学芸員が選んだ12冊を展示する。

 担当学芸員の作山春香さんは「どの絵もすてきなので、どれを展示するか本当に悩んだ。中さんの絵はもちろんだが、雑誌自体にも注目してもらいたい。胡堂による推敲(すいこう)のあとが付いているのは、本人が保管していたものならでは。戦争の影響を受けた雑誌名の変更や本の厚みの違いなどもあるので、時代の動きが感じられると思う」と話す。

 企画展本番は、報知新聞紙面で連鎖していた「隠密縁起」の挿絵原画約100点以上を2期に分けて展示。こちらの原画も胡堂が大切に保管していたものだという。期間中は学芸員による展示解説を月に一度実施。プレ挿絵展の期間中にも「銭形平次捕物控」の朗読会を行う。

 作山さんは「まずは中さんと平次との出会いを挿絵展で知ってもらい、文章とともに作品を楽しんでほしい。企画展では原画の持つ力強さや筆づかいを感じてもらいたい。野村胡堂作品の世界を挿絵からも存分に楽しんでほしい」と来場を呼び掛ける。

 プレ挿絵展は12月9日まで。企画展は12月11日~来年3月17日。開館時間は9時~16時30分(入館は16時まで)。入館料は一般=300円、小中高校生=150円。月曜休館。