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盛岡のジーンズショップが「発明くふう展」で受賞 利用客の声に応え財布開発

受賞を喜ぶ木棚さん。「これからもお客さんと会話しながら商品を作りたい」と話す

受賞を喜ぶ木棚さん。「これからもお客さんと会話しながら商品を作りたい」と話す

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 ジーンズ&カジュアルショップ「KIDANA(キダナ)」(盛岡市鉈屋町)が作るオリジナル商品「NEN-RING(ネンリング)コンパクトロングレザーウォレット」が10月27日、「第54回岩手県発明くふう展」で特賞(岩手県知事賞)を受賞した。

受賞した「NEN-RINGコンパクトロングレザーウォレット」。カードケースの形が特徴

 「KIDANA」は1958(昭和33)年から続く老舗のアパレルショップで、今年60周年を迎える。店主の木棚裕永さんは、2013年ころから革に漆を塗る研究をスタート。漆を使った革小物ハンドメードブランド「NEN-RING」を立ち上げ、財布や名刺入れ、アクセサリーなどの開発と販売を続けてきた。

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 今回受賞した「NEN-RINGコンパクトロングレザーウォレット」は、利用客からの「お札を折りたくないので長財布を使いたいが大きすぎて使いづらい」「短めで薄い長財布が欲しい」という声がきっかけとなり、2016年2月に開発をスタート。一般的な長財布の多くは、クレジットカードなどのカード類が横に2枚並ぶ長さに合わせて設計するため長くなってしまうという。

 木棚さんは「特に男性はズボンのポケットに長財布を入れて持ち歩きがち。長さと厚みがあるとポケットから落ちたり、盗まれたりする心配があると思う。そういった不安やストレスを解消できるニーズがあるならと開発に挑戦した」と話す。

 「コンパクトロングレザーウォレット」は日本紙幣の中でも一番大きい1万円札を基準に設計。内側に入れるカードケース部分は1万円札と同じ幅にし、カードポケットはカード同士が中央で重なり合う形を採用した。カードケースには小銭ポケットを付け、小銭の出し入れのしやすさやこぼれ落ちにくさにこだわった。ズボンのポケットに入れやすいようマチをなくし、外側部分もスタイリッシュなデザインを採用した。カードケースについては意匠登録も行っている。

 11月には同様のデザインで、素材にデニムと革を使用したジーンズショップならではのニューバージョンも製作。「NEN-RING」製品は店頭もしくはイベント出店のみで取り扱い、今後もより良いデザインや素材を探りながら製作を続けるという。

 木棚さんは「受賞を知った時は正直『マジか』と驚きの気持ちしかなかった。メードイン岩手にこだわった商品づくりをしてきたので、県知事賞をいただけたのは本当にうれしい」と話し、「足を運んでくれる皆さんと出会い、皆さんの声をヒントにして世の中にはないものをまた提案したい」と意気込む。