盛岡のブックストア「BOOKNERD(ブックナード)」が8月19日、初の出版物「わたしを空腹にしないほうがいい改訂版」を発行した。
同書は盛岡在住の歌人・くどうれいんさんが2016年6月に俳句のウェブマガジン「スピカ」に連載した、俳句と食にまつわるエッセーをまとめたもの。2017年にくどうさんが自費出版を行い、それを再編集し改訂版として出版した。
改訂版出版のきっかけは、オープン日にくどうさんが店を訪れたことだったという。店長の早坂大輔は「名刺代わりに」とくどうさんから同書を受け取り、同店でも取り扱うことになった。早坂さんは「言葉の表現が現代的でありながら、独特でユニークなところに面白さを感じた。食を話題の中心にしながらも、一人の人間の生活や悩み、青春が読み取れる内容に引き込まれる」と話す。
取り扱いを始めると全国から注文があり、改訂前の冊子の在庫はなくなり絶版状態となっていたという。その後も問い合わせが続いたことから、改訂版の発行を考案。改訂版はサイズを文庫版に変更し、紙質などにもこだわりデザイン面にも手を加え、装丁は盛岡を拠点とするデザイン事務所「homesickdesign」が手掛けた。内容は改訂前のものから大きな変更せず、新たにくどうさんが会いたいと思う人との対談2本を掲載している。
8月19日の「俳句の日」に合わせて発売し、盛岡市内では同店と「さわや書店ORIORI」、「cyg art gallery」で取り扱うほか、全国の書店などでも販売しいる。500部発行したが、一週間ほどで在庫が100部となった。
25日には発売を記念し、同店で「フルーツポンチパーティー」を開催。くどうさん特製のフルーツポンチと、対談にも登場する料理家・吉田玲奈さんの軽食が振る舞われるほか、早坂さんとくどうさんが本にまつわるトークを行う。予約制で会費は1,000円。時間は18時~20時。予約はメールもしくは同店のインスタグラムアカウントから受け付ける。
早坂さんは「食という誰にでもある普遍的なことをテーマに、読みながらクスっと笑ったり、さみしくなったり、ヒリヒリした気持ちになったりと、一緒に感情が動かせる一冊だと思う。ぜひ手に取って楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。
本は一冊1,000円(税込)。