岩手大学(盛岡市上田3)で7月29日、高校生向け実験教室「DNA鑑定団~あなたはお酒に弱い?それとも強い?~」が開催される。
同教室は「日本学術振興会」が実施する「ひらめき☆ときめきサイエンス」採択事業。全国の大学などの研究機関と協力して開催するプログラムで、「科学研究費助成事業(科研費)」によって行われている最先端の研究成果を、小・中・高校生らがじかに体験して科学の面白さを感じてもらおうという内容となっている。
同プログラムによる同大学での実験教室は今回で6回目。少子化などにより全国的に大学の受験者が減少する中、大学や学問への興味を刺激するとともに、受験生に向けた広報活動としても実施し、県内の進学率向上などへつなげることも目的とする。
「DNA鑑定団」と題して行われるのは3回目で、遺伝子を解析する技法を使い、参加者自身のDNAを増幅し分析することによって生命の根源が遺伝子にDNAにあることを実感してもらう。これまでは「スタッフが選んだDNAサンプルが誰のものか当てる」といった内容を行っていたが、今回はアルコール耐性をテーマに選択。少量のDNAを増幅させる技術と酵素を使った反応を用いて、自分自身のお酒の強さや弱さを調べ、結果を基に将来アルコール飲料と正しく付き合う方法を考える。
講師を務める同大学理工学部生命コース准教授の荒木功人さんは「アルコール耐性を調べる方法としてはパッチテストも有名だが、今回は違ったアプローチで体験してもらいたい。今回の実験では、両親のどちらもお酒に強い、どちらも弱い、一方が強いもしくは弱いの3パターンの結果が期待できる。アルコール耐性についてはもちろんだが、皆さんの中にお父さんとお母さん両方の遺伝子があることを知ってほしい」と話す。
同教室への参加は現在キャンセル待ちだが、秋にも同様の内容で、大人も参加できる小規模な公開講座の実施を予定。開催については随時ホームページなどで告知する。荒木さんは「夏休みなども重なって、予想より早く満席になり驚いている。今後もいろいろな実験講座を提案していくので興味を持ち続けてもらえればうれしい」と呼び掛ける。
参加無料。