岩手の魅力を発信しているツイッターアカウント「おいでよ岩手」が、LINEスタンプを発売した。
「おいでよ岩手」は岩手県内のどこかに生息する妖怪。人間を岩手に招くために、ツイッターを使って岩手の魅力を伝える活動を日々行っている。気軽な語り口や軽妙な文章、ジョークを交えたツイートが人気を呼び、「おい岩さん」の愛称でも親しまれ、フォロワー数は1万人を超える。
「おいでよ岩手」がツイッターを始めたのは2014年。「おいでよ」というフレーズを使って各地の魅力を発信している他県の「おいでよ」アカウントを見つけたのがきっかけだったという。「おいでよ岩手」は「東日本大震災から3年が経過した頃、目にするニュースはネガティブなものが多く、そろそろ明るい話題を提供してもいいのではと思っていた。『おいでよ』アカウントの形は気軽で良かった」と話し、「人間の生活の中にさりげなく岩手を滑り込ませていきたい。気の向くまま『おいでよ』できるのは妖怪の利点だけど、岩手は広いのでバランスを取るのが大変」とも。
その後、空想上の存在である妖怪がツイッターで発信を続けるために新しい姿が欲しいと考え、趣味で東北を題材にした漫画を描いていたツイッターユーザーの宮下さんにイラストを依頼。宮下さんも岩手好きで、現在は盛岡市内に移住し4年がたつ。宮下さんは「宮沢賢治が好きで岩手に移住したと話すと驚かれる。岩手には妖怪が出そうな場所が多く、ふとした時に、ここには『おい岩さん』が出そうだなと考えてしまう」と話す。
2017年には震災復興支援のためのチャリティーグッズとして、「おいでよ岩手」ステッカーを販売。売り上げから材料費などを引いたチャリティー相当額10万9,269円に差額を足し、11万1,111円を岩手県へ寄付した。その際に、「ほかにどんなグッズが欲しいか」とフォロワーへ問い掛けたところ「LINEスタンプが欲しい」という返答が多かったことから、LINEスタンプの制作に至った。グッズやスタンプはアイデアを「おいでよ岩手」が出し、宮下さんがイラストとデザインを担当する。
スタンプは岩手らしさとともに、ツイッターでのキャラクター性を強く出すように仕上げ、ファンからも好評を得ている。スタンプの売り上げは次のグッズやスタンプの制作に充て、今後もチャリティーを続ける目標もある。
宮下さんは「私は絵を描くだけだが少しでも役に立てればうれしい。岩手はゆっくりした時間を過ごしたい時にお薦め。気軽に『おいでよ』してもらいたい」と話し、「おいでよ岩手」は「ツイッターではあまり震災の話を出さないようにしているが、寄り添わないわけではない。さりげなく支援を続けたい。海と大地を感じに岩手においでよ。いつでも僕らは待っているよ」と呼び掛ける。
LINEスタンプは16種類で120円。