「レンタル菓子工房utakane(うたかね)」(雫石町上野観音堂)で4月20日から、「みんなで創ろう『レンタル菓子工房』ワークショップ」が行われる。
同工房は菓子などの加工品を作る加工場を一般向けに貸し出す施設。代表の渡辺和義さんは農業系のコンサルティングや創業支援などを経験。その中で、菓子類や加工品の製造販売に挑戦したいが、設備が整った加工場がなく営業許可が取れないというケースに多く出合ってきたという。そこで自由に使える加工場を提供し、挑戦する人を応援しようと「レンタル菓子工房」のアイデアを思い付いた。
渡辺さんは「自分で菓子店を開きたいという人や、生産した野菜を使って6次産業化を目指す農家の皆さんもいたが、加工場がないために諦めてしまうことは少なくない。場所を貸すことで製造や販売に挑戦してもらえるのなら、一緒に応援したいという気持ちがある」と話す。
その後、渡辺さんは雫石町で行われた空き店舗活用のワークショップに参加。空き家をリノベーションして工房を開くことを決め、多くの人に工房について知ってもらおうとワークショップ形式のイベントを実施することにした。リノベーションする建物は企業の事務所兼倉庫として使われていたもので、ガス設備もなく調理を行う施設にするにはかなり手を加える必要があるという。今回のイベントでは内装をメインに作業を行う。
工房は小ロットの製造をメインとした施設を目指し、初心者でも扱いやすいよう、家庭の台所と本格的な厨房(ちゅうぼう)の中間になるような設備をそろえる予定。作り方や作業のサポートを担当するスタッフも常駐し、パッケージデザインや販売に関する相談にも対応する。今年10月のスタートを目標に、本年度中の開業を目指す。
工房名の「utakane」はローマ字表記だが、漢数字で「一・二・三」と書き「うたかね」と読む。利用者が1つずつステップを踏み、羽ばたいていけるような場所にと思いを込めた。渡辺さんは「雫石にはさまざまな地域の食材・食文化がある。町内の農家の皆さんからも受け入れてもらえればうれしい」と話し、「『やってみたい』から一歩踏み出せる場所を目指したい。見学だけでも歓迎なので、興味があれば気軽に遊びに来てほしい」と呼び掛ける。
開催時間は9時~17時。事前の申し込みは不要で、時間内であれば出入り自由。参加無料。今月22日まで。