岩手・小岩井農場が「20世紀遺産」に 現在まで続く畜産設備評価され

明治41年建築の二号牛舎(奥)と昭和9年建築の一号牛舎。現在も牛を飼育している。

明治41年建築の二号牛舎(奥)と昭和9年建築の一号牛舎。現在も牛を飼育している。

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 有識者でつくる国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内委員会は12月8日、後世に残したい「日本の20世紀遺産20選」を発表し、その一つに「小岩井農場」(雫石町)が選ばれた。

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 「日本の20世紀遺産」は、国内で20世紀に新たに登場したものや、進化・進展したもの、歴史上の事件を象徴するものなどを基準に選定。イコモスは国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関として世界文化遺産の選考に携わっているが、20世紀のものは建築に偏っているという批判があったという。そこで、20世紀遺産の多様性に光を当てるとともに、将来、世界文化遺産へ登録される可能性がある遺産例を示すために、約30カ国の国内委員会へ20選の選定を呼び掛けた。

 「小岩井農場」は、「欧米牧畜業の技術を導入し営まれ続けている農場コミュニティーの景観」として20選に選ばれた。同農場は1891(明治24)年に開設。今年2月に牛舎やサイロなど21棟が国の重要文化財に指定され、多くのものは現在もなお使われ続けている。

 同農場の担当者は「知らせを聞いた時は本当に驚いたが、うれしい一報だった」と話し、「多くの施設が現在まで120年以上使われている点や、建物を含めた景観、農場の運営などさまざまな視点から評価を受けたと感じている。これからも長く愛され親しまれる場所でありたい」とも。

 20選にはほかにも「青函トンネル」や「瀬戸大橋」、「東海道新幹線」などが選ばれている。

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