青山地区まちづくり協議会(盛岡市青山2)が12月3日、盛岡で生まれたリンゴ「ちなつ」を使ったジャム「盛岡の初恋」の販売を始めた。
同協議会では現在、「盛岡ふれあい覆馬場プラザ」の管理を行うと共に、施設を使った「赤レンガ朝市」の運営を行っている。
新商品のジャム発案者の藤元眞紀子さんは朝市の常連客。リンゴ好きで、オーナー制のリンゴ園を通じて栽培にも携わっている。藤元さんは「ジェネバ」という品種のリンゴと出合ったことをきっかけに、「初恋」をイメージしたりんごジャムを思いついたという。
藤元さんは「ジェネバは皮から中身まで赤色のリンゴ。加工せずに生のまま保存していると中身が色あせてしまうことを知り、まるで時が経つごとに忘れてしまう初恋のようだと思った」と話す。「盛岡は宮沢賢治と石川啄木が青春時代を過ごし、初恋を経験した場所。リンゴを通じて、賢治や啄木のことも広めたいと考えていた」とも。
藤元さんはジャムの構想を朝市の出店者で親交があったリンゴ農家の副島(そえじま)淳一さんに提案。実現に向けた道を探る中、今年8月から朝市に出店していたりんご加工品の販売を行う「すっぱい林檎の専門店。」オーナー・藤野里美さんを副島さんが紹介し、商品化に向けた企画に取り組んだという。
今回のジャムには盛岡生まれの極早生品種「ちなつ」を使う。副島さんが育てた「ちなつ」に「紅玉」を加え、「ちなつ」の酸味と「紅玉」の色を活かした甘酸っぱく淡いピンク色のジャムに仕上げた。ビンの蓋にかぶせる短冊は「赤レンガ」をイメージしたデザインで、裏面には賢治と啄木が詠んだ「初恋の歌」一首を添える。
盛岡ブランドへの登録を目標に、来年は「ジェネバ」を使って「盛岡の初恋」を作る予定。藤元さんは「まさにリンゴが結んだ縁で生まれたジャム。盛岡が賢治と啄木が青春を過ごした街であること、リンゴの産地でもあることが広まるように夢を込めて、皆さんの元に届けたい。初恋の味を楽しんでほしい」と話す。
700個限定、価格は1,058円。盛岡ふれあい覆馬場プラザ、カネイリスタンダードストア、ななっく、「すっぱい林檎の専門店。」ネット通販で取り扱う。