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盛岡で「陸前高田市思い出の品出張返却会」 11月末で事業終了の見込みも

出張返却会の様子

出張返却会の様子

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 「もりおか復興支援センター」(盛岡市内丸)で10月9日、「陸前高田市思い出の品出張返却会」が行われる。

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 同会は「震災拾得物等返還促進事業」として、東日本大震災において発生した津波により流され、持ち主が分からなくなった物品や写真を本人や家族、身内へ返却するもの。本年度は「三陸アーカイブ減災センター」が委託を受け、市内にある常設返却場の運営や市内40カ所に設置したファイルなどによる思い出の品の閲覧、市内外での出張返却会などを行ってきた。

 「陸前高田市思い出の品」代表の秋山真理さんは「県内内陸や県外での返却会では、若い人の姿が多い。家族や祖父母と一緒に来てくれることも多く、こういった機会が少ないために熱心に探す姿が多く見られた」と話す。

 盛岡市で行われる返却会では、写真約7万2000枚と物品2500点以上を全てデータ形式で閲覧できる。持ち主や写っている人の名前などが確認できるものもあり、その場合は名前や出身地、学校名などを基にスタッフが検索を行う。本人や家族のものだと分かった場合は、後に現物を送り、集合写真などの場合はその場でプリントにも対応する。予約などは不要で、陸前高田市にゆかりのある人であれば誰でも入場できる。

 盛岡での出張返却会は10月のほか11月12日にも実施、県内では花巻、一関、北上、県外は仙台での開催も予定している。今年11月で同事業はいったん終了の見込みとなっているが、事業継続を求める声は多いという。秋山さんは「震災から今年で6年、間もなく7年目を迎え、遠い出来事のように思われるかもしれない。思い出の品をずっと探している人が、時がたってようやく当時の話ができるようになった、思い出の品を探すことができるようになったという話は最近もよく耳にする。何年たっても悲しみは癒えない。形は変わるかもしれないが、12月以降もどうにか続けられれば」と話し、「今後も多くの人に関心を持ってもらい、被災地に寄り添ってもらいたい。友人や家族を誘って足を運んで」と来場を呼び掛ける。

 開催時間は10時30分~19時30分。問い合わせは「陸前高田市思い出の品」(TEL 0192-47-4848)まで。

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