「志波城古代公園」(盛岡市上鹿妻)が開園20周年を迎えたことを記念し、志波城歴史フォーラムを7月17日に開催する。
『たむらまろさん』(B's-LOG COMICS) ユキムラ 著/KADOKAWA
同公園は今から約1200年前の平安時代に、征夷大将軍・坂上田村麻呂が造営した古代城柵「志波城」を復元したもの。1984(昭和59)年に国史跡の指定を受け、復元整備を進めてきた。これまでも小規模な講演会を行ってきたが、20周年を迎え、より多くの人に志波城の歴史を知ってもらおうと記念フォーラムの開催を企画した。
盛岡市教育委員会歴史文化課の今野公顕さんは「志波城古代公園の存在自体は知っているが、この場所が一体どういう場所なのかを知っている人は少ないように感じる。歴史ファンにとっては聖地となりうる場所でもあると思う。ふるさとの歴史を身近に感じてもらいたい」と話す。
今回のフォーラムでは、「坂上田村麻呂と志波城~坂上田村麻呂を知り尽くした歴史学者と漫画家が熱く語る。~」と題し、志波城を造営した坂上田村麻呂に着目。日本古代史を専門に坂上田村麻呂の東北政策などについて研究する、近畿大学教授の鈴木拓也さんと、坂上田村麻呂を主人公にしたコメディー漫画「たむらまろさん」作者のユキムラさんを講師に招き、異なる2つの視点から坂上田村麻呂の魅力を語る内容となる。当日は2人による講演のほか、パネルディスカッション、志波城学生ボランティア「志波城応援隊」の活動報告、史跡志波城跡の調査結果と保存整備の報告も行う。
今野さんは「田村麻呂は古代史上のヒーローの一人であるが、東北の人からはどちらかというと悪者扱いされてしまいがち。どういう人物か詳しく知らないという人もいる。彼がどういう人で、盛岡で何をしたのかを改めて知ってほしい。ぜひ足を運んで」と来場を呼び掛ける。
会場は都南文化会館「キャラホール」(同市永井)1階小ホール。開催時間は13時~17時。入場無料。定員は200人。受付は先着順となる。