「盛南温泉 開運の湯」(盛岡市本宮3、TEL 019-656-4126)が、5月に行った温泉泉質分析の結果により「ラドン」があることが判明した。
同施設は2009年4月にオープンした温泉施設で、実施した温泉泉質分析は10年ごとに行われるもの。ラドン成分の調査は任意のため、開業前の2008年に行った泉質分析では調査を行わなかった。今回の調査を担当した「岩手県薬剤師会」にラドン成分を調査する機材が導入されたこともあり、成分調査を行ったところ、ラドンが検出されたほか、水素イオン濃度を示すpHが9.4から9.9に変わっていた。ラドンの濃度は121ベクレルで、非常に高い数値であるという。
ラドンのもとになるのは地中にある「ラジウム鉱石」で、この鉱石の中を通ることで温泉に成分が含まれる。同施設の温泉は1つの源泉からではなく、地中を通る複数の地下水をくみ上げているため、その中にラジウム鉱石の中を通るものが以前より含まれていた可能性もあるという。
今回検出された原因の一つに東日本大震災の影響が考えられている。大きな揺れにより地下で変動が起き、ラドンを含む地下水が多く流れ込むようになったと思われるが、検査を行った担当者も「詳しい原因は分からないが、非常に珍しい事例である」と説明したという。
ラドンは脂肪に溶けやすく皮膚を通して体内に取り込まれ、血液に入り全身を回り、腎皮質や脳下垂体の機能を強めるとされる。ラドンの含まれる温泉としては、関節リウマチや通風、強直性脊髄炎などの痛みに効能があるという。加えて、アルカリ性が高まったため、美肌への効果も期待される。
同施設を運営する「株式会社開運」専務の小泉浩子さんは「あまりに突然のことにとても驚いている。うれしいことにはうれしいが、目には見えない部分なので実感も湧かない。営業自体は変わらずに行うので、今まで通りに利用してもらえれば」と話す。
営業時間は10時~24時(土曜・日曜・祝日は6時30分~)。料金は大人=600円、子ども=400円。詳しい利用方法はホームページで確認できる。
※記事初掲出時、商標登録されている名称「ラドン温泉」を使用していました。現在は放射能泉、ラジウム温泉、ラドン温泉が異なるものであるという認識があり、記事中使用するのは不適切と判断し訂正いたします。関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことをお詫びいたします。