もりおか歴史文化館(盛岡市内丸、TEL 019-681-2100)は6月6日、ミュージアムショップオリジナル商品「殿さま一筆箋 一筆啓上致し候(いっぴつけいじょういたしそうろう)」を発売した。
同商品は、学芸員らが藩主の写真を切り取り、吹き出しを付けるなどしてメモや職員同士の連絡に活用していたアイデアを採用したもの。同館では盛岡藩と南部家に関する資料を展示しているが、代々盛岡藩主を務めた「殿様」を紹介する商品はなかった。そこで、来館者に楽しみながら南部藩主のことを覚えてもらおうと同商品を製作することとなった。
商品名やデザインは学芸員らが考案。「一筆啓上致し候」は、「お手紙を差し上げます」という意味の言葉で、手紙の冒頭にもちいられる。実際に盛岡藩から江戸幕府へ送った書状の中にも使われている。
一筆箋になったのは初代・南部信直から10代・南部利正までの10人の盛岡藩主。表面には、同館が所蔵する資料「南部家歴代画像」に描かれた藩主らの特徴的な甲冑(かっちゅう)姿を採用。口元に宛名やあいさつなどを書き込める小さな吹き出しを付けた。裏面は罫線が引いてあり文章が書き込めるほか、藩主の名前や生没年などの情報も書かれている。罫線の一番上には「一筆啓上致し候、」の一文が添えられている。
ミュージアムショップ担当者の坂本弘子さんは「盛岡の殿様たちはどうしても認知度が低い。今回商品になった10人の殿様は、現代の盛岡と関わりが深い人物たち。藩主たちには一人一人に個性的なエピソードがあるので、気になった殿様を選んで楽しみながら盛岡の歴史に触れてほしい」と呼び掛ける。
価格は5枚入りで200円。開館時間は9時~19時。第3火曜休館。1階ミュージアムショップへの入場は無料。