岩手県内で書店や音楽・英語教室を展開する「東山堂」(盛岡市中ノ橋通1)が4月8日、長編CM「TOSANDO music『発表会』編」を動画配信サイト、ユーチューブで公開した。
同社では2014年3月、娘の披露宴で父親がピアノを演奏する様子を描いた「披露宴」編を公開。「泣けるCM」として話題となり、ユーチューブでの再生回数が360万回を超えたほか、「第18回アジア太平洋広告祭2015」で広告賞を受賞した。2015年には、このCMをきっかけに音楽教室に通い始めた男性に密着したドキュメンタリー動画を公開し、再び話題となった。これまでの2作は大人向けの音楽教室をテーマにしてきたが、今回は子ども向けの教室に焦点を当て「発表会編」と題し、ピアノ教室に通う娘と仕事で忙しい日々を送る母親の姿を描く。
動画の主人公は「発表会を最後に、ピアノをやめたい」と言い出した娘と、その母親。発表会に駆け付けた母親が娘の演奏を聞き、娘の成長する様子を知らなかったことに気付くストーリーとなっている。現代の生活スタイルに合わせ母親が自宅で仕事をする風景を盛り込み、自宅に置かれているピアノもデジタルピアノを用意し、練習にヘッドホンを使うなどリアルさを追求した。撮影には200人のエキストラが参加。半数は教室に通う生徒で、「CMを撮影するのでエキストラを募集する」と呼び掛けたところ、予想以上に人が集まったという。
同社音教事業部副部長の田口龍児さんは「教室に通う子どもたちの両親の多くは共働き。忙しい生活の中で、親がなかなか気付くことができない部分を取り上げた」と話し、「これまでも今回も、感動して泣いてもらおうというわけではなく、音楽を始める人が増えればいいなという思いで制作してきた。今回は音楽だけではなく親子のコミュニケーションのきっかけになればと願いを込めている。音楽は誰でも始められるし、今習っている人にはどうか続けてほしい」と呼び掛ける。