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盛岡の居酒屋「俺っ家」が陸前高田に ふるさとの復興へ先陣切って

「温かい心を本当にありがとう」と感謝を込める熊谷さん

「温かい心を本当にありがとう」と感謝を込める熊谷さん

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 居酒屋「陸前高田・俺っ家」(盛岡市本町通1、TEL 019-681-0008)が4月末で盛岡での営業を終了し、6月に陸前高田市で復活する。

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 同店は陸前高田で「酔い処(どころ)・俺っ家」として地元住民から親しまれてきたが、東日本大震災による津波で店舗が流出。「早く立ち上がって元気づけられるような場所を作りたい」という思いで、震災からわずか3カ月後の6月14日に盛岡へ移転オープンした。その後も沿岸から盛岡へ来た人が集まる場として、三陸の海の幸が味わえる店として多くのファンから愛されてきた。陸前高田へ必ず戻ることを目標に盛岡での営業を続けてきたが、陸前高田市の新市街地の再建が本格化したことをきっかけに地元での復活を決めた。

 店主の熊谷浩昭さんは「この6年間はあっという間。それだけ必死で無我夢中に生きてきたのだと思う。当時は三陸の代表という気概で、自分が頑張る姿を見せて陸前高田のみんなを元気づけたいという思いだった。今度は開拓者の気持ちで故郷の復興を切り開く力になりたい」と話す。

 被災前の店舗の雰囲気を再現した店内には、「さすみ(刺し身)」など方言交じりのメニューが並ぶ。現在は常連客らが足を運び、旬のワカメやホヤなどを味わいながら別れを惜しむほか、閉店する前にと初めて訪れる客も多く、連日にぎわっているという。

 寂しいという声がある一方、陸前高田からは再開への期待も大きい。再建する場所は陸前高田市高田町の新市街地で、以前店舗があった場所からも近いという。新しい店名は「公友館(こうゆうかん)・俺っ家」。「公友館」は陸前高田の店舗近くにあった映画館の名前から取り、昔ながらの映画館のように子どもたちからお年寄りまで、恋人、友人、家族で集まれる場所を目指す。3月に着工し、6月上旬のオープンを予定している。

 熊谷さんは「6年がたってようやく帰れる状況にはなったが、被災地の復興へはまだまだ遠い。3月11日だけではなく、何年目だからというわけではなく、常に現状を見守っていてほしい」と話し、「盛岡は優しい街。温かい心を本当にありがとうと伝えたい。今度は故郷で頑張っている姿を見せて盛岡の皆さんへ恩返しする番。ぜひ、陸前高田の店にも遊びに来て」と呼び掛ける。

 営業時間は17時~23時。日曜・祝日定休。

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