2019年に日本で開催されるラグビーワールドカップ日本大会のPR活動で、同大会組織委員会アンバサダーの桜庭吉彦さんと2015年W杯イングランド大会代表選手の広瀬俊朗（としあき）さんが10月14日、岩手県庁を訪れた。

　W杯日本大会の開催まで3年と迫ったことで、組織委員会では大会の成功に向けての機運を高めるため、アンバサダーらが開催都市12都道府県へ表敬訪問を行っている。5カ所目となる岩手では、達増拓也知事と野田武則釜石市長のほか、イングランド大会を視察した釜石市内の中学生6人が迎えた。

　桜庭さんは「開幕までいよいよ3年となった。岩手、釜石の皆さんと力を合わせ、アジアで初となるスポーツの祭典を盛り上げていきたい。世界中から釜石を訪れる人に絶賛されるような大会にして、東北から元気を発信したい」と話す。広瀬さんは「ラグビーの歴史が深い釜石で大会が行われることをとてもうれしく思い、未来へつながるようなものを作って行きたい」と、達増知事と野田市長に改めて協力を求めた。

　2人の言葉を受け達増知事は「スポーツの力を通じて、世界中からの震災復興支援への感謝、そして復興に向かう姿を伝えていきたい。新スタジアム整備や交通輸送など課題はあるが、2人の協力を得ながら県民一丸となって盛り上げていく」と応じ、野田市長は「今回の訪問は力強い後押しとなった。市民を挙げて全力で盛り上げていきたい。釜石はまだ復興の途中。W杯から地域の未来をつくっていく」と意気込む。

　その後、中学生らからイングランド大会視察についての報告が行われ、スタッフやボランティアの様子や会場の盛り上がりを伝えた。3年後のW杯については「あの熱気を地元で味わえるのが楽しみ」「英語を勉強して通訳の手伝いをしたい」「みんなにもっとラグビーに興味を持ってほしい」「笑顔でおもてなししたい」など期待と抱負を話した。

　W杯は2019年9月20日から11月2日まで、全国12都市で開催。全20チームが参加予定。