老舗靴店「菅原靴店」(盛岡市大通2)の本店1階がリニューアルして2カ月がたった。
同店は1950(昭和25)年創業。大規模な改装は1974(昭和49)年に現在の店舗が入るビルを新築して以来、約40年ぶりとなる。改装のきっかけの一つには、周辺の路面店が減少したことや夜間営業の飲食店が増えたことなど、商店街や周辺環境の変化があったという。
同社社長の菅原誠さんは「大通を訪れる人の数が昼よりも夜の方が多くなった。周りの店がなくなっていく中で、『盛岡はおしゃれな街』と感じてもらえる場所を残したかった。夜に食事やお酒を楽しんだ後に立ち寄れるような店にもしていきたい」と話す。
改装後の外観は黒やグレーを基調にし、夜間でも目を引くような明るくモダンな雰囲気に一新した。内装はレオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画「最後の晩餐」をモチーフに、店内にテーブルを設置。その上に並べた商品を食材に見立て、テーブルに人が集まって語り合い、にぎわいが生まれるようなイメージに仕上げた。商品の配置も以前より欲しいものを探しやすいように心掛けた。
同店では国内外の高級ブランドを取り扱うことから、「来店客の価値観を高めたい」という理念や、「高級品に触れられる環境を守りたい」という思いを持つ。今回の改装で多くの人が足を運び、良い品に触れられる環境づくりも目標にした。
改装後は、「首都圏で買い物しているみたい」「店の存在に気づき、初めて入ろうと思った」などの良好な反応が多く、県外からの客も増えたという。
菅原さんは「特に若者が高級品に触れられる環境を盛岡に残していきたい。首都圏に行かなければ購入できないようなブランドに地元で出合えることは良いことだと思う。商品に触れながら一緒に味わい、実際に試着して、店員から話を聞くことは大切な経験。店舗を訪れた際は気軽に話しかけてほしい」と呼び掛ける。
営業時間は11時~19時30分(日曜・祝日は10時30分~)。第2・3水曜定休。