中央畜産会(東京都)は11月12日、「平成27年度全国優良畜産経営管理技術発表会」を開き、コマクサファーム(八幡平市)が最優秀賞(農林水産大臣賞)を受賞した。同社社長の遠藤勝哉さんの受賞は史上最年少。
同会は優秀な実績や経営の問題解決の取り組みを表彰することで、経営の成果などを紹介し、畜産経営の改善に役立てることを目的としている。
同社は日本養豚協会の推薦を受けて参加。「マルチサイトシステム」と題し、短期間に行われた飛躍的な飼育技術の改良、地元産飼料米を使った資源循環型の農業、ブランド豚「杜仲(とちゅう)茶ポーク」を使った地元との連帯などが評価された。
38歳で史上最年少受賞となった遠藤さんは「賞を目指して日々活動しているわけではないので正直、実感はない」と話す。今回の発表会については、「経営を評価されるものなので、財務状況、経営に関する数字は特に細かく見られた。TPPを前に外国産品が来ても対抗できるかどうかが今年の評価のポイントだったのかもしれない」と分析する。
地元、八幡平市はスキー場の多い地域。スキー協会や選手へのサポートを行うなど、地域貢献を重視している遠藤さんは「これまで養豚は地域に迷惑を掛ける産業だった。環境配慮や地域振興も含め、地元の皆さんと協力し、より良い経営をしていきたい」と淡々と話す。
最優秀賞(農林水産大臣賞)4事例については、第55回農林水産祭の選賞の候補事例となる。