オガールベース内のホテル「オガールイン」(紫波町、TEL 019-681-1256)は10月から、紫波町図書館を活用した宿泊者向け図書サービスを始めている。
都市と農村の新しい結びつきを創造することを目的に紫波町が展開するオガールプロジェクトの一環として、昨年8月にオープンしたオガールベースは、バレーボール専用体育館、ホテル、飲食店などがある複合施設。オガールベースの向かいには官民複合施設「オガールプラザ」があり、町営図書館、病院、飲食店、産直などが入っている。
同ホテルでは、ビジネスマンや学校、クラブの合宿での利用が主になっているが、週末には観光で岩手を訪れる家族連れもあり、宿泊者から隣接する紫波図書館から本を借りられないかという要望が以前からあったという。同図書館は、周囲30キロ県内の市町村在住者のみ利用登録できるが、同ホテルが紫波町図書館に団体登録することで、宿泊者の図書利用が可能になった。
宿泊者はチェックイン後、ホテルで用意する申請書を図書館に持っていくことで図書館内の本を宿泊期間中に借りられる。チェックアウト時にホテルのフロントが本を受け取り、宿泊者が利用した本はホテルが図書館へ返却するシステム。移動図書や設置図書室ではなく、町営図書館からホテル宿泊者が直接借りられる全国的にも珍しい取り組み。
同図書館では、児童書や農業を中心としたビジネス関連書も多く取り扱っているため、視察で訪れるビジネスマンや子ども連れの家族に好評だという。
同ホテル支配人の村上秀紀さんは「やり方はシンプルだけれど、普通は実現しようとしたら手続きは面倒になると思う。このサービスは官民が同居するオガールエリアならでは。図書サービスをすることでオガールエリアの価値が増す」と期待を寄せる。
同図書館の開館時間は10時~19時。