盛岡市の地名「大沢川原」の読み方に関する意見が盛岡市公式サイトの「市民の提案箱」に提案があり話題になっている。
大沢川原は、盛岡市の中心を流れる中津川と北上川が合流する河口付近の地名で、地名自体は古くからあり1600年代後半から存在している。盛岡市民は日常的に同地名を「オオサカワラ」と読むことが多く、地名の読み方として定着しているが、盛岡市では同地名の読み方を「おおさわかわら」と定めている。
「大沢川原」の読み方について8月11日付けで同サイトに寄せられた市民からの意見には、「『大沢川原』を『おおさわかわら』『おおさかわら』どちらで読むべきか。盛岡市民や観光客は、大沢川原という地名の読み方を『おおさわかわら』に定められると読みづらいのでは」とあり、地名を「大沢川原」から「不来方(こずかた)」に変更する事が提案された。
回答は住居表示管理を行う盛岡市総務部管財課が担当。8月25日に公開された回答では「『大沢川原』の町名は由緒ある地名であり、1963(昭和38)年の住居表示実施時に、旧大沢川原小路(おおさわかわらこうじ)などの町名から変更されたもの。『大沢川原』の読み方について、『おおさかわら』と通称で呼ぶ方も多いと思うが、『大沢』を『おおさ』と読み方を変更することは、観光客を含めた一般の方にとって、むしろ読みづらい町名になってしまうのでは。町名を変更することは、市民生活に多大な混乱を来すことから難しい」とした。
「おおさかわら」という読み方が市民に定着した要因について市では把握していないが、読みにくさから「おおさわ」が省略され「おおさ」となったことが推測される。同課担当者は「地名は住民協議の上で決定してきたもの。本来の町名で覚えていただければ」と話す。