岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通、TEL 019-606-1730)は、被災地林業復興を応援しようと被災地木材を利用してコンシェルジュデスクを製作、4月1日に設置した。
2010年にスタートした本の案内役を務めるコンシェルジュサービスの活用の幅を広げようと、コンシェルジュが常駐するデスクを設置。「被災地木材を使った温かみのあるデスクにしたい」とコンシェルジュ自らアイデアを出した。釜石地方森林組合に掛け合い、被災地木材で復興住宅を建設するプロジェクト「森の貯金箱」のシステムを利用してデスクを製作した。大槌、釜石地区は、震災直後に大規模な山火事に見舞われ534ヘクタールが焼けたこともあり、同地区の林業復興にも貢献したいという思いが詰まっている。
同館統括責任者の菊池敏雄さんは「(このデスクは)人のつながりでできたもの。つながった人たちへの恩返しとして、デスクを復興の象徴のように図書館のステーションとして本と人をつなげる役割を果たしていきたい」と話す。同館コンシェルジュの今泉菊美さんは「駅にも近いので、ぜひ木のぬくもりを感じに来てほしい」と呼び掛ける。
同館では震災資料コーナーが同1日に開設1周年を迎え、関連イベントとして震災報道写真の展示を行っているほか、20日には、「復興釜石新聞」編集長・川向修一さんが「災害時における地域紙の役割」について講演会を開く。電話で参加申し込みを受け付ける。
開館時間は9時~20時。