チャリティーコンサート「廣田丈自&ロンドン・メトロポリタン・オーケストラ&フレンズ」が 6月7日 、盛岡八幡宮(盛岡市八幡町)拝殿で行われた。拝殿を使ったコンサートは今回が初めてという。
舞台では三陸沿岸の伝統芸能「虎舞」をモチーフにした「虎舞組曲」が演奏され、同オーケストラと大槌町の虎舞が共演。異色のコラボレーションに、会場から大きな喝采を浴びた。
同公演は芸術プロデューサーの松任谷愛介(あいすけ)さんとイギリス在住パーカッショニストの廣田丈自さん、同オーケストラ指揮者のアンディ・ブラウンさんらが、昨年4月に「江差追分前唄レクイエム」を制作したことをきっかけに企画。3月のロンドン公演を成功裏に終え、今回東北3県を支援するチャリティーコンサートとして実現した。同公演のために、「南部牛追い唄」など東北ゆかりの民謡を編曲。岩手大槌出身の金崎裕行さん、大久保正人さん、大槌町の虎舞も参加した。
松任谷さんは「岩手には東京の人が知らないような虎舞や鬼剣舞のような深い文化があって、それをかたくなに守り続けている。東北の深い文化とクラシックを融合させた音楽を作りたかった。海外では、まだ震災を忘れずに気にしている人がいる。震災を忘れない気持ちを伝えるためにも『東北プライド』という10年プロジェクトでこれからも伝えていきたい」と話す。
同公演は今月5日の東京公演を皮切りに東北3県を巡るツアーで、岩手は盛岡、北上、大槌の3カ所で演奏。大槌では地元中学生との交流会も開く予定。ツアーは今月10日のいわき公演で締めくくる。