日本エコツーリズム協会(東京都品川区)は12月20日、第7回エコツーリズム大賞の各賞を発表し、岩手県からは二戸市宝を生かした事業実行委員会(以下、二戸市宝)が優秀賞を、小岩井農牧(雫石町)が特別賞を、それぞれ受賞した。同じ都道府県から2件選ばれたのは岩手県のみ。大賞は63の応募の中から、NPO法人信越トレイルクラブ(長野県飯山市)が受賞した。
二戸市宝は環境省出身の前市長が自然や伝統文化など地域資源をまちづくりに生かす取り組みを提唱し、行政と市民が一体となり、1992年に活動をスタート。「探す」「誇る」「伝える」などキーワードに、継続的な活動が評価された。2007年には特別賞を受賞し、今年10月には同市で全国エコツーリズム大会も開催している。
小岩井農牧は約120年前から不毛の地と言われた岩手山麓の土地で環境循環型の農林畜産業を長く展開。その延長線として、広大な敷地に広がる自然を生かしたエコファーミングスクール事業を2010年に始め、個人や企業、学校などを対象にエコツアーやエコスクールを実施してきた点が評価された。
受賞について、小岩井農牧・エコファーミングスクール担当の濱戸祥平さんは「この事業では小岩井農場の事業文化や(牧場内の)一般には知られていなかったエリアの自然を広く紹介している。実は他薦でノミネートされ、受賞できてうれしい」とコメントしている。