盛岡のベンチャー企業「ラージック」(盛岡市向中野)が手がける古着リメークビジネスが注目を集めている。
同社は今年4月、古着をリメークした衣類を販売する店「SONGKRANG(ソンクラン)」(開運橋通2、TEL 019-653-7477)をオープン。同じ素材が二つとない古着を加工することから、「自分だけの一点物」をアピールした古着リメークを販売し、若い世代を中心に支持されている。
同社の古着リメークはネルシャツや皮のパンツなど、素材の種類は同じでも柄や表面加工、風合いの違いなど、生地になる古着の個性を生かしながら、共通したデザインで大量生産する点が特徴。ワンピースからスカート、ロングコートからジャケットなど、商品のテーマやデザインは同社が企画。裁断や縫製など製品化は商社を通じて東南アジアで行うことでコストダウンを図った。
同社の佐久士貴雅社長は「これまでの古着ビジネスは(衣類の)サイズを中心に動いてきた面がある。大きくて着られないものなど、見過ごされてきた古着も多かったが、『リメーク』という形で生かせるもの」と話す。「今は話題の古着ビジネスだが、業界はすでに飽和状態。そのまま販売するのではなく、むしろ素材(生地)にすることで、古着ビジネスの新たなトレンドになれれば」と意欲をみせる。
そうした言葉通り、同社は既に大手ジーンズメーカーや大手古着チェーンと提携し、自店で販売するだけでなく、他社へ供給する古着リメークの卸業へと事業を拡大。大型ショッピングモールへの出店も計画中だという。