盛岡市の関係人口を考えるプロジェクト「盛岡という星で」が現在、「郊外」を題材にした写真を募集している。
同プロジェクトは、盛岡と継続的な関わりを持つ関係人口に重点を置き、盛岡を一つの小さな丸い星に見立てて、SNSを活用した情報発信やイベントの開催などに取り組んでいる。主に情報発信を主に担当している「盛岡という星で編集部」では、テーマを設けて盛岡の文化や場所などを取り上げる「特集」を2023年からウェブサイト上で続けてきた。
特集を担当する八重樫裕さんは「SNSは流動的で、1つの投稿で1つの物事しか扱えない。それを良さとして生かすこともできるが、もっと地に足が着いた、1つのテーマで多角的に盛岡を取り上げるウェブマガジンのようなものを作りたかった」と話す。
特集のテーマは「この題材で盛岡を紹介することはあまりない」という視点で選んでいるという。「盛岡らしさを取り上げる媒体は、他にも良いものがたくさんあるので」と八重樫さん。これまでに、夜や日曜日、恋といった題材を取り上げてきた。今年12月のテーマは「郊外」。同編集部の天間苑佳さんは「これまで『盛岡という星で』で扱ってきた話題は、どうしても中心市街地の物事が多くなりがちだった。中心部以外にももちろん盛岡の良さがあるし、郊外だけに絞ったコンテンツも少ないと感じて選んだ」と話す。
これまで県外に向けた情報発信を中心にしていた一方で、「郊外」は市民向けのテーマとしても選んだという。八重樫さんは「このテーマを決めた時、編集部内ではどこからが郊外なのかという意見が出た。たとえば、中心部から離れた街なのか、山が見えて畑が広がる場所なのか。郊外は広く、おそらく、皆さんの中にそれぞれの郊外があるので、皆さんの話題にしてもらいたい」と話す。
「郊外」特集では郊外にある食堂にまつわる対談や、盛岡市と滝沢市の市境を歩くルポなどの記事を制作。その中のコンテンツの一つとして、郊外の写真を募るSNS公募展を企画した。撮影者が「郊外」を感じた写真で、撮影場所は盛岡市内でも、盛岡以外の場所でも構わない。集まった写真の中から編集部が選び、ウェブサイトやSNSで発表の場を設ける予定。
特集内で公募展を行うのは今回が初めてで、情報収集の目的もある。八重樫さんは「郊外は広い。私たちがまだ知らない郊外を写真で教えてほしい」、天間さんは「盛岡にとどまらず、さまざまな郊外か集まればうれしい。皆さんが郊外をどう捉えているのか、写真が届くのを楽しみにしている」と話す。
募集要項はウェブサイトに掲載する。締め切りは1月9日。