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岩手県立図書館で岩手の生き物がテーマの展示 本を通じて生き物に出合って

絶滅した生き物から今も岩手で暮らしている生き物まで、図鑑などの本で紹介する

絶滅した生き物から今も岩手で暮らしている生き物まで、図鑑などの本で紹介する

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 岩手の生き物をテーマにした企画展「本で知ろう!いわてのいきもの」が現在、岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)で開かれている。

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 同館の企画展示コーナーで行っている展示は、比較的大人向けの内容が多いという。今回は子どもたちにも企画展示コーナーの存在を知ってもらおうと、子どもを意識して「岩手の生き物」をテーマに選んだ。展示では「絶滅してしまったいきもの」「岩手に暮らすいきもの」「岩手にやってくるいきもの」の3章構成で、13種の生き物をピックアップし、同館が収蔵する図鑑や写真集、古文書などを通じて紹介する。

 担当者は「岩手にはさまざまな生き物が生息しているが、野生動物に会いに行くのは難しく、絶滅してしまって会えない生き物もいる。そういう時こそ本を活用してもらいたい。展示を通じて、岩手の自然や生態系の豊かさ、生物多様性に思いをはせてほしい」と話す。

 「絶滅してしまったいきもの」の章では、ニホンオオカミ、トキ、オオルリシジミを紹介。盛岡藩家老の政務日誌「盛岡藩雑書」の中に出てくるオオカミに関する記録などを取り上げる。絶滅の恐れがある野生動物をリストアップしたレッドリストやレッドデータブックについても解説し、県内の野生生物についてまとめた「いわてレッドデータブック」の最新版も展示している。

 「岩手に暮らすいきもの」の章は、現在も県内に生息しているクマゲラやニホンカモシカ、ニホンイヌワシ、ハヤチネウスユキソウ、モリアオガエル、キジ、ツキノワグマについて紹介。その中でもクマゲラ、ニホンイヌワシ、ハヤチネウスユキソウは「いわてレッドデータブック」の絶滅危惧種に指定されていること、イヌワシやモリアオガエルの県内繁殖地が国の天然記念物になっていることについても触れる。

 「岩手にやってくるいきもの」では、普段は違う場所にいて、季節などに合わせて岩手に入ってくる生き物の中からウミガメ、サケ、ハクチョウを紹介。「私も岩手にウミガメが来ていることを知らなかった」と担当者。展示では岩手沿岸にウミガメが来ることが分かり、最先端のウミガメ研究ができるようになったことについて取り上げている。

 展示コーナー内には館外貸出可能な資料として、展示で紹介した生き物の本や岩手の生き物の本をはじめ、さまざまな生き物に関する本を並べている。担当者は「ここに並んでいる本は、図書館にある生き物の本の中のごく一部。展示を通じて生き物に興味を持ったら、図書館にある本で深く知ってもらいたい。知識を広げて、皆さんの世界も広げてもらえれば」と話す。

 開館時間は9時~20時。10月13日まで(9月30日は休館)。

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