
滝沢市から盛岡市まで農用馬が行進する伝統行事「チャグチャグ馬コ」が6月14日に開催された。
「チャグチャグ馬コ」は、農用馬の日頃の働きへの感謝とねぎらいの気持ちを込め、愛馬の無病息災を願う行事。色鮮やかな装束を身に着けた馬が滝沢市の鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社から盛岡市の盛岡八幡宮までの約14キロを行進する。装束に付いている鈴の音が「チャグチャグ」と聞こえることが名称の由来とされている。毎年6月第2土曜に行われ、初夏の訪れを知らせる風物詩としても親しまれている。
今年は68頭が参加し、9時30分ごろに鬼越蒼前神社を出発。11時ごろに盛岡に入り、途中で休憩を取りながら、鈴の音を響かせて市内を行進して盛岡八幡宮へと向かい、14時ごろに到着した。沿道には華やかな馬の姿を一目見ようと多くの人が集まり、温かい拍手を送り手を振って馬を迎えた。
チャグチャグ馬コの開催日は「晴れの特異日」として知られている。今年は東北地方の梅雨入りと重なり、朝からあいにくの曇り空が広がったが、馬に乗る子どもたちや引き手たちは晴れ晴れした笑顔で沿道に手を振った。
市内から観覧に訪れた女性は「馬コたちが通り過ぎたら雨が降り出して、チャグ馬の時は雨が降らないというのは本当だなと思った。馬のひづめの音と鈴の音、乗り手の子どもたちが手を振る姿、どれも愛らしい。この伝統をいつまでも守ってもらいたい」と話す。