
盛岡市都南図書館(盛岡市永井)で3月1日、「3.11東日本大震災資料展」と「育てよう!災害救助犬 いわてワンプロパネル展」が始まった。
同館では東日本大震災の記憶を風化させないため、2012(平成24)年から毎年、震災関連資料の展示を続けている。今年も新しい書籍を含め、同館が所有する東日本大震災関連の図書や防災に関する図書などを選定。2階閲覧室では貸し出し可能なもの、レファレンスルームでは館内閲覧のみ可能なものを中心に雑誌やDVDなどを並べている。
展示担当者の高橋千晶さんは「ずっと続けていかなければいけない、大切な資料展だと思っている。年月が経過していくにつれ風化は免れない。出版数自体は減っているが、東日本大震災に関する新しい本もまだ出ているので、私たちも常にアンテナを立てておかなければという気持ちが強くなる。この時期は改めて震災や防災について考えてもらいたい」と話す。
今年は、災害救助犬育成普及プロジェクト「いわてワンプロ」について紹介するパネル展も1階ロビーなどで同時開催。同プロジェクトは、東日本大震災時に世界中から災害救助犬と共に被災地に駆け付けた救助隊への感謝の気持ちから発足。愛犬家の高橋さんはプロジェクトの取り組みを知って以来、「救助犬の取り組みがあることを知ってもらいたい。いつか関連展示をやってみたい」と思い続けてきたという。震災資料展の担当者となったことから、パネル展を企画。閲覧室の出入り口付近には、高橋さんが個人的に集めてきた同プロジェクトに関する新聞記事の切り抜きも展示している。
「今発生している大船渡の山林火災の現場でも、多くの人が救助活動を行っている」と高橋さん。「災害が発生した時、どんな人がどんな活動をしているのか、命を守り助けてくれる人の存在について展示を通じて少しでも興味関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。
開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。今月12日まで。