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岩手県立図書館が火山関連の本を紹介 身近な自然災害に理解深めて

9冊の火山関連本が並ぶ展示コーナー

9冊の火山関連本が並ぶ展示コーナー

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 岩手県立図書館(盛岡市盛岡駅西通1)4階の「I-ルーム」入り口で現在、火山に関連した本の展示が行われている。

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 今年から8月26日が「火山防災の日」に制定されたことから関連図書の展示向けて準備を進めていたところ、岩手山で山の膨張を示す地殻変動が観測されていることを受け、仙台管区気象台が21日に火山の状況に関する臨時の解説情報を発表。22日には気象庁の機動調査班が現地調査を行った。

 臨時解説情報の発表を受け、同館でも予定を早めて22日に展示を開始。担当者の小林亜衣さんは「岩手山は普段から活発な動きがないため、活火山としての印象が薄いようにも感じる。私も臨時解説情報の発表を受けて、そういえば岩手山って活火山なんだよなと改めて実感した。火山の噴火も私たちにとって身近な自然災害として捉えてほしい」と話す。

 展示コーナーには9冊の本を用意。火山の仕組みに関するものや火山防災に関するもののほか、菓子作りを通じて火山の仕組みを説明するユニークな本や、八幡平市教育委員会が発行する火山防災副読本「岩手山とわたしたち」など、本格的な内容から親しみやすい本までが並ぶ。

 展示を行う「I-ルーム」は、東日本大震災を中心に震災津波や震災復興、自然災害、防災についての学び合いスペースとして昨年11月に開設。「I-ルーム」の自然災害コーナーにも火山に関する本を並べている。同スペースでは定期的に防災や自然災害に関するイベントを開いているほか、学校や団体に向けて関連図書のセット貸し出しを行っている。

 「今年の夏は大雨災害も多く、今は台風も近づいてきている。自然災害の危険性が高まると、その災害について詳しく知りたいという人も増えてくる。その『知りたい』の気持ちに答えるのが図書館の存在」と小林さん。「本当は調べる必要がないくらいに自然災害が減るのがいいが、それは難しいこと。山は好きだけど、火山を気にしたことはないという皆さんにも、山にはそういう側面もあるんだということを知ってもらいたい」と呼びかける。

 開館時間は9時~20時。休館日はウェブサイトに掲載する。展示は9月14日までを予定。

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