岩手県水産振興課は12月24日、県立水産科学館(宮古市、通称「ウォリアス」)のホームページに三陸沿岸の魚を動画で見せるバーチャル水族館を開設した。サービス名は「バーチャル・ウォリアス」。
同サービスは、同館で展示する魚をそれぞれ15秒程度の動画にまとめたもの。現在、動画で公開する魚種はフグやアナゴ、マツカワ(カレイの一種)など、三陸沿岸の魚を中心に9種類。釜石の特産品のチョウザメや、なぜかカクレクマノミやピラニアの動画も配信する。
企画したのは同課職員の鈴木寛人さん。魚市場のブログ「魚ログ」や携帯電話で見る浜料理のレシピサイト「魚メシ」など、ITのノウハウを使いながら三陸のPRに取り組む中、今度は注目の動画に目を付けた。動画はすべて鈴木さん自らがホームビデオカメラで撮影し、YouTubeで配信することで経費は0円に。ホームページのリニューアルは管理するNPO法人に「お願いした」という。
「このような取り組みは(行政では)全国的に初めてかも」と鈴木さん。「水産科学館は三陸沿岸の宮古市にあるので、岩手県の人でも足を運ぶのはなかなか大変。動画を見て少しでも興味を持ってもらって、なるべく多く来館してほしい」と話す。
同館に展示する魚は三陸の漁師や市場から持ち込まれるものがほとんどで、「魚種の入れ替えも激しい。ちょくちょく見にくるといろいろな魚種が見られるはず」と鈴木さん。「今後は、三陸地域の水産業の歴史を動画で配信できれば」と意欲をみせる。
「バーチャル・ウォリアス」は同館ホームページの右カラムから閲覧できる。